0206 所得税16 配当所得1 配当所得の範囲

所得税法上、該当する配当所得は法人から受取る剰余金などによる配当で、負債の利子分が費用として控除されます。つまり「配当所得=配当による収入−負債利子」になります。

以下が該当する配当所得になります。・・・・(当ブログ0207、0208、0209、0210、0211、0212)→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20121015
(1) 剰余金の配当
(2) 利益の配当
(3) 剰余金の分配
(4) 基金利息
(5) 投資信託の収益の分配
(6) 特定受益証券発行信託による収益の分配

みなし配当(所得税法上では、利益の配当と捉えることができ、配当所得に該当するもの)・・・・(当ブログ0207、0211、0213)→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20121017
(7) 合併(適格合併を除く)
(8) 分割型分割(適格分割型分割を除く)
(9) 資本の払い戻し、解散による残余財産の分配
(10)自己株式または出資の取得
(11)出資の消却、払戻し等
(12)組織変更(株式または出資以外の資産を交付したもの)

上記にはそれぞれ内容によっては除外される幾つかの条件がありますが、そのことは後に各項目で説明を記します。まず所得税法に該当する「配当所得」とは、どのような所得であるのかについて、理解しなくてはなりません。

しかし、この該当する「配当所得」についての理解は容易とは言えず、かなりの難問にあたります。もちろん初歩的な解説しかできませんが、それでもある程度の会計知識も必要になりますし、さまざまなケース、例えば企業の合併や分割に伴う場合では、どのような判定になるのか等は、その方法によっても異なってきて、理解するのも一苦労です。

前回までに、お勉強した「利子所得」との違いでいけば、利子所得の場合、預けた現金、もしくは投資した現金は、元本割れが起こらず、その上で利息の収入が得られるもの。言い換えれば、お金は預け入れにすぎません。しかし、配当所得の場合では、投資家は現金資産を企業に出資して得る収入であり、もちろん元本保証なぞありません。

この「配当」とは、企業が一定期間において経済活動を行い、売上から様々な費用を支払い、更にその利益から法人税を納め、そうして最終的に残ったお金を株主の配当に割り当てることになります。

従って、利子所得とは性質が明らかに異なり、企業が獲得した利益は一度、法人税という税金を納めた後に配当しますので、受取った配当金から更に税金を取るということは、二重課税と言えないこともない。このことを考慮してか、配当所得には「配当控除」という税額控除が設けられています。通常で配当所得にあたる約1割が控除対象となり、税額控除なので、所得税率を乗じた後の所得税額から、その金額を差し引くことになります。ただし、配当控除を受ける場合は総合課税を選ばなくてはなりません。

配当所得の課税方法は、総合課税、申告分離課税源泉分離課税(申告不要制度)の3つの中から有利であるものを選択できます。課税方法による詳しい解説は次回に!

日本証券業協会、配当金と税金→http://www.jsda.or.jp/manabu/publications/files/zeisei_2-3.pdf
国税庁、配当所得→http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1330.htm

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