0326 所得税129 所得控除5 生命保険料控除

給与所得者、いわゆるサラリーマンの給料における所得税での控除の1つが、この「生命保険控除」になります。
これは多くの方が年末調整で、手続きをされた経験があると思います。年末調整は、サラリーマンはもちろん、会社や事業を営む所で働いた対価として受取る給料が該当すしますのでパート、アルバイト等の非正規雇用者も同様です。

現在の生命保険料控除は、新契約と旧契約とが別の計算手続きとなっていて、新旧両方の生命保険等がある場合は合計して控除できます。
新契約とは平成24年1月1日以降に締結した生命保険等で、旧契約とはそれ以前、つまり平成23年12月31日以前に締結した保険を指します。 
新契約では控除対象となる保険の種類が、一般的な生命保険、個人年金保険に加えて新たに「介護医療保険」が控除対象とされています。旧契約は従来通り生命保険、個人年金保険が対象です。

新契約での控除額算出は次のように規定されています
1生命保険料、2個人年金保険料、3介護医療保険料、の控除限度額は各4万円で、計12万円が最大控除額となります。控除額算出の計算は1、2、3共通です。
保険料の年間支払額が20,000円以下      → 支払った額の全額。
保険料の年間支払額が20,001円〜40,000円まで → 支払った額×0.5+10,000円 控除額では20,001円〜30,000円
保険料の年間支払額が40,001円〜80,000円まで → 支払った額×0.25+20,000円 控除額では30,001円〜40,000円
保険料の年間支払額が80,000円以上      → 一律40,000円

旧契約での控除額算出は次のようになります。
4生命保険料、5個人年金保険料、の控除限度額は各5万円で、計10万円が最大控除額となります。控除算出の計算は4、5共通です。
保険料の年間支払額が25,000円以下      → 支払った額の全額。
保険料の年間支払額が25,001円〜50,000円まで → 支払った額×0.5+12,500円 控除額では25,001円〜37,500円
保険料の年間支払額が50,001円〜100,000円まで → 支払った額×0.25+25,000円 控除額では37,501円〜50,000円
保険料の年間支払額が100,000円以上      → 一律50,000円

尚、1円未満の端数は「切上げ」で算出します。

年末調整で会社や事業主から、これに記入、ハンコを押して、控除証明書をホッチキスで止めて下さい、と渡された書類は「給与所得者の保険料控除申告書」という用紙です。

この保険料控除申告書には、左端に生命保険料控除という欄があり、次に「一般の生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」と3つに分かれています。
一般の生命保険料と個人年金保険料の欄には、新契約と旧契約と両方の保険料を有する場合があります。
記入欄には各保険料が複数記入できるように、契約別に数段用意されています。

例えば、一般の生命保険料の記入欄には4段用意されていて、契約別に記入します。この時、新契約、旧契約どちらでも良いのですが、中央右側に新旧の区分がありますので、どちらかかに○を付けます。
新契約の合計金額をA欄に記入し、旧契約の合計をB欄に記入します。
次に、A欄の金額を上記の控除額算出の計算式に当てはめ、控除金額を1の欄に記入します。B欄の旧契約も同様に上記の算式で控除額を出し、2の欄に記入します。
3の欄は「1の欄の金額+2の欄の金額」ですが、誤ってはならいのが、合計が4万円以上の場合は4万円が限度なので、40,000円と記入します。つまり新契約と旧契約の控除額を合算して4万円以上ある場合も限度額は4万円とされます。

イの欄は「2の欄と3の欄、どちらか大きい金額」を記入、この欄の金額が「一般の生命保険料」での確定した控除額です。2の欄は旧契約の合計控除額、3の欄は新契約の控除額と旧契約の控除額を合計した金額で最大4万円。つまり、計算では旧契約の年間支払い保険料の合計額が60,001円以上あれば、控除額は40,001円以上となり、2の欄をイの欄に転記します。

個人年金保険料の欄も「一般の生命保険料」と同様の計算を行い、記入します。

保険の種類や名称、その性質については複雑です。年末調整の保険料控除対象となる保険については、下記の国税庁ホームページを参考にして下さい。尚、実際の手続きでは各種、保険会社から自宅へ送られてくる「保険料控除証明書」が必要となります。その保険料控除証明書には、保険の種類や記入する金額が記載されています。
国税庁、生命保険料控除の対象となる保険契約等→http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1141.htm
国税庁、平成25年分、給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書の記載例→
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/kisairei_h25_05.pdf
★賃金計算の概要(給与計算)→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130819
源泉徴収税額→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20131023
★当ブログ0231免責事項をお読み下さい。→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130102