0408 転職は必要?

 現在、日本では離職して仕事探しをしている人が、季節によって強弱があるものの常時300万人前後います。チャンスがあれば転職したい!と、現状は勤めていて「転職しようかな」程度を含めると、この7〜8倍の人口と言われています。

転職を考えている人は大勢いるのです。この中から実際に転職を試みる者と、現状に踏み止まる者に分かれます。どちらが正しい選択であったのかは、もちろん本人しか分かりませんし、本人にも確認はできません。なぜなら、転職することは現状より「よくなりたい」という目的があり、その目的を達成するための手段でしかありません。つまり、転職をしても「よくなる」保証はどこにもなく、現状より悪くなる可能性も、大いにあります。「以前より良くなった」「以前より悪くなった」というのは非常に個人的な実感で、他人はこの感覚を実感することはできません。同様に、本人にとっても、実感できるのはどちらかの選択しかないのです。ただ、覚悟を決めて後悔しないであろう選択をするしかありません。

あなたが給料やボーナス、あるいは休日や残業などの労働条件について、より良い環境を求めているのであれば、転職はかなり有効な手段と言えるでしょう。しかし、あなたはその好条件の企業を見つけ出し、自信を持って自己の能力を相手側にアピールし、見事に採用を勝ち取ることができるでしょうか?そのために普段から、目標設定し日々その努力をしているだろうか?

仮に、現在の職場であなたが、あなた以外の誰か「この人は優秀だ」と思う者が、同時に転職をして同じ就職先を選択し応募したとき、あなたはその人を差置いて採用を勝ち取る自身はあるだろうか?あるいは、その人より優れた能力を自覚し、その部分を有効にアピールすることができるだろうか?そこが問題だ。

労働条件ではなく、漠然と「良くなりたい」と考えているのであれば、その方法はつまるところ3つしかないのです。一つは転職のように「自分以外についての変化」、日常的に接する人が変わり、環境やそれらに伴って時間的なスケジュールも変化をもたらし、現在の生活と比較して、すべてが異なる可能性を秘めています。

もう一つは「自己改革」、つまり、外的要素はそのままで自己の意識改革、いつもの価値観を疑い、言葉での認識を問い直し、それらの努力によって現状を改善します。この場合は転職しなくても現在の職場で成立します。
あと一つは、それら二つの組合せで外的内的両方です。結果的に、この3つの何れも行われなかった場合、それは「停滞」と言い、何一つ前に進まず、確かなことは「あなたは歳を取る」ということだけです。どうせ歳を取るなら仕事も、仕事以外のことも「欲張り」で行こう!と、腹を括って下さい。

就職や転職は、まず希望する企業に採用されることが第一の関門で、採用されなければ先に進むことができませんが、採用された後も問題はあります。その勤め先に順応できるかどうか、これも大きな問題のひとつです。

転職では多くの場合、前職の「常識」が新しい勤め先では「非常識」となり混乱します。その企業や職場の環境、構成されている従業員の資質にもよりますが、仕事にも馴れない、職場の人との関係構築もできていない、その上で職場の行動的ルールも知らず、緊張の中で、他者を観察して対応して行かなくてはなりません。判らないことだらけなのに、教えてもらう量より、注意やお叱りを受ける量の方が多く、理不尽な目に会うことも想定しておかなくてはなりません。早く順応する人でも最初の3ヶ月くらいは悪戦苦闘するのではないでしょうか。

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