0410 転職準備のプロセス

前回では転職を「旅」に例えました。この例えを利用して、旅の準備に取りかかります。

あなたは現在、漠然と旅に出たい、出てみようと考えています。しかし、考えているだけで「どこへ行こうかしら？」と目的地も定まっていません。毎日の日常は変わらず、周りにいる誰もが、あなたが「旅に出たい」と思っていることを知りません。
なにしろ旅はいい！気分転換には持ってこいだし、未知の体験、新しい出会いがあるかも。今回の旅にもそのような期待が当然あるでしょう、そうでないと転職をする意味がないですから。

実際の旅行では、まず旅行代理店に行って、パンフレットを見て、良さそうなプランで手続きをして、支払を済ませて、後は出発日を待つだけ。という流れです。
今回、あなたが試みる「転職の旅」も、流れそのものは似ています。決定的な違いは、目的地にたどり着くかどうかです。旅客機や鉄道に乗ったまま、のんびり、ゆったり目的地へ到着することはありません。

あなたは自分で所有する「自家用車」に乗って、定めた目的地へ旅をすることになります。無事に目的地へ到着すれば、あなたは優秀なドライバーです。多くの方が目的地の変更を余儀なくされ、途中で休みながら進んでゆきます。目的地へ到着しても、そこが旅の終点になるかどうかはドライバー本人にもわかりません。途中で仕方なしに変更して到着した地が、けっこう住み心地の良い場所になるかも知れません。また、予定していた時間通りに到着するかどうか、考えてもいない長い旅となるのか、これもまたドライバーが全てをコントロールできる部分ではなさそうです。

旅に出る自家用車はスポーツカー、それとも軽トラック？
出発前に乗るクルマは、現在のあなたの人格や能力そのものです。クルマの性能を発揮させ、自分の持っている様々なものを他者に伝えるテクニックこそドライバー最大の役割なのです。
スポーツカーだからといって目的地に早く到達するとは限りません。途中に細いガタガタ道があれば、軽トラの方が有利に働くかも知れません。それから目的地が決まっていても、出発前に点検や整備を行なっていなければ、走り出した途端に失速するかもしれません。パンクに気づかないまま走り出して、目的地に到達したのであれば、まさしくあなたは強運の持ち主です。

また、この旅は一度出発すると引き返すことはできません。当初の目的地から遠くかけ離れた場所で、やりくりすることもよくあることです。ガソリンの心配もあります。ガソリンとは「資金」のことです。たくさんあれば、それだけ遠くに、時間をかけてチャレンジすることもできますが、少ないと時間をかける余裕すらありません。従って、出発する前の準備段階で資金を確保することも大切です。旅の途中でガス欠になると、普通に前進することも困難になります。

他にも様々な想定をしておく必要があります。クルマが故障したとき、道に迷ったとき、ドライバーが吐き気や、体調を崩したときなど様々です。故障すればガソリンスタンドに寄って点検や整備をしてもらうか、あるいは自分で修理するか。体調が悪ければ最寄りの診療所に寄って診てもらうような場面も起こるでしょう。
　
さて、この「転職の旅」は多くの問題を抱えながら、また、人によれば目的地さえ定かでないまま出発します。このテキストはあなたにとって「困ったときの便利帳」といったサポートでしかありません。この旅を楽しむのであれば「自信」さえ失わなければ、どんなに困難な場面に遭遇しても乗り切ることができます。
けれども、思わぬ長旅になるかも知れません。時には、激しく打ちのめされる目に遭うかも知れません。そのようなときに、このテキストが役に立つことを目的として、できる限りのことを伝えて行きたいと望んでいます。

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