0017 みんな!よく聴け!

コミュニケーションの定義を「信頼を築く」と伝えましたが、あまりピンとこないかも知れませんね。ちょっと「信頼」なんて重たい感じもします。にしても、同じ人に何度も会ったり、会話を重ねてゆくことは、意図するしないに関わらず、それは何かを築いてゆくことになります。
 
最初は何も起こらない。しかし相手を見たり、話しを交わすことによって何かしらの反応が返ってきます。表情や視線、声のトーンが変化もっと会話を進めるうち、何かをきっかけに笑ったり、不機嫌になったり感情が少しづつ見え隠れし、それは微かにも心を開いていってるのです。そして次第に心を許して関係がつくられてゆくのです。
大阪弁の「お前、おもろいやっちゃなぁ」にはそういった意味が感じられます。

コミュニケーションの難しさの核は、なんと言っても「聞き手の決定権」があげられます。どんなに表現を工夫しても、わかり易く話した気でいても、相手が聞き入れて、理解しなくては、結果的に伝わったことにはなりません。極端な話し、どんなに立派な内容を夢中になって話しても、相手が「イヤだぁ、この人の声、ウザイ」なんて思われると、それだけで伝えたいことの半分以上はぶっ飛びます。
 
部下と上司、生徒と先生、夫と妻、嫌いな人と好きな人、家庭と会社、電車の中とクルマの中、個室に二人、会館に大勢・・・コミュニケーションは自分や相手の立場、場所や環境、少数多数など様々条件によって、向かい合う互いの距離に変化が生じてしまいます。

聞き手の決定権なんて、勝手なものにも思いますが、相手が話すと自分が聞き手になるわけですから、お互い様というわけです。が、自分の話を聞いてもらうには、先に相手の話をよく聞くことが最重要です。自分の気持ち、内容を伝えたい、そう思うなら、まず相手の話を一生懸命に聞くことです。それが一番の「伝わらない」というリスクを回避する特効薬です。