0021 批判ではなく、感想を言え!

聞き役に徹するということは、自分の言葉や表情は、相手にとって滑りの良い油の役割を果たすことです。しかし、けっこう難しいものです。
 
「話す」という行為は、ストレス解消や自分が認められている等の、7つの効用があるとされています。ですから、「聞く」よりも「話す」の方が楽しいわけです。

相手の話ばかり聞いていると、次第に自分も話したい衝動が大きくなってくるのが自然で、その当たりの欲求をコントロールして、相手の話しを受け止めることは、お喋り好きな人にとっては、かなりたいへんな作業といえるでしょう。

相手が話す内容にもよりますが、他人や関係者等の批判や、状況や立場、環境などの不満を長々と話されると、どうしても次第に「何様のつもり?」と相手を非難し始めたり、気がつけば説教していた、なんてことも経験があるかもしれません。

どうしても相手を批判したい感情に襲われても、ストレートな批判は危険です。相手が批判を好意的に受け止めることは、多くの条件が整ってないと、逆効果、しいてはケンカに発展することさえ否定できません。

第一、批判すれば話しの主役である相手から、主導権を奪うことになりかねない。
 
ということで、非難や批判は避け、「感想」を伝えましょう。

感想なら自己感受を述べるのですから、相手からの反論はありません。と言うより論理的に反論できない性質のものです。言われて、また言い返して、を繰り返す可能性はかなり低くなります。それから、感情を刺激する、より、相手に気づきを与える効果があるといったほうが正確でしょう。

例えば、相手の話が自分の勤めている会社への不満や、上司の悪口ばかりだったとしよう。終始このような内容だと、聞いている側は次第にうんざりしてくる。
「いい加減にしろ、誰だって不満はあるんだ!そんなことを言って何になる!」と言うより、
「そんなに不満があるとは知らなかった。しかし、なんだかがっかりしたよ」の方が、相手に期待していたことを気づかせ、会話は穏やかに進みます。
 
まあ、時には感情をグッと堪えて、そういえばこういうとき「感想」で返す、だったなぁ。と思い出して下さい!