0034 思考法−1

経済的に困窮すると判断が鈍る、とよく言いますが、それは状況が逼迫すれば誰にでも起こり易い事実でもあります。この原因は選択肢の狭さが招いた結果です。例えば、一週間後に、幾らかの支払いがある場合、できる限り働いて収入を得ようとするか、「もう無理だ」と投げだし、開き直るかの2パターンです。そしてどちらにしても奇跡がおきない限り、支払いは滞ります。そして置かれた自分の状況は、世界の誰よりも不運に感じ、悲惨な未来が持ち受けている不安に駆られ、精神的にも最悪な環境に陥る可能性を秘めています。悲観論が心を支配的にします。
 
さて、もう一方には支払い余力があるのに、うっかり支払日の履行を怠ったとします。もっというなら支払い能力がなくても、支払い自体あることを忘れていたとします。この場合、支払いを受け取る側の人は、どうして相手が支払わないのかを知りません。悲惨な状況なのか?つい、うっかりなのか?

期日の支払い不能に対して悩むより、期日を過ぎて支払いが滞った場合、どのような対応や手段があるのか、そこに力を注いでいった方が建設的です。少し日数を引き延ばせば可能なのか、分割支払いでもOKなのか。リスクの少ない借り方はあるのか、そしてどのような選択をすれば自分にとって一番有利であるのか。

うっかり忘れていて場合、支払い日までの不安やダメージは起こらないので、精神的な圧迫はありません。催促通知が来て、驚き、慌て、しばらく時間を置いて次に「仕方ない」と余裕ができます。つまり一時的な深いダメージが起こり、冷静になります。圧迫感は短く限定的。そして重要なのは事後処理が冷静に行えます。

相手からすれば「期日の支払い不履行」は理由を問わず同じです。今後の支払いによって信用は変わってきますが、これは方法でなく、きちんと履行されるかどうかが肝心です。

判断が鈍ったり、誤ったりするとき、自己の頭の中で、勝手に条件を制限した状態になっています。もちろん上記の様な例は、できるだけ努力して約束を守るべきです。けれども同じような精神的圧迫が何度も繰り返される状況では、心身共に追いつめられ、思っていたより最悪になるケースさえあります。そうなる前に一度、自分で制限した条件を外した場合、どうなるかを考えることが必要です。

やっと貯めた10万円を持って念願のパソコンを買いに行ったとします。本体はもちろん、気になるソフトやプリンターも視野に入れて、どれをどうすれば満足できる買い物になるかを楽しみます。しかし、10万円という限定条件を無視して考えた場合、本当に欲しい必要なものの選択は格段に範囲を広くします。10万円を頭金にローンを組む方が、結果良い選択であったかもしれません。

経済的困窮の中で選択をする場合は、もし金持ちならどのような選択をするかを想像してください。正しい選択はそちらにあるかも知れません。


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