0042 金は時なり!

さて、経済的余裕がない、つまりお金がないということは、二つの大きなリスクを抱え込みます。一つは自由な選択ができない、限定された選択になってしまう。もう一つは、時間的にも制限されることです。「時は金なり」と言いますが、逆読みすれば、時間を延長するには必ず、お金が要るということです。
 
お金がない、自由な選択ができない、時間的余裕もない、この三重苦は自分の中の不安を煽り立てます。自分が不安になると身近な近親者も不安や先行きの不信が伝染します。この不安定な精神や状況は雪だるま式に、どんどん膨れあがり、
最終的には家計破綻や離婚、うつ病や自殺といった、失業者の誰もが一度は見る「悪夢」となります。
まあ、心配しないで下さい。そうならない様に、いや、もっと欲をだして希望の転職ができるように、落ち着いて考えてゆきましょう。必ず道は開けますから。
 
再就職が短期で決着するか、長期になるかの分かれ目は、やはり経済力がポイントとなります。もちろん短期決戦を前提に、大量に応募を出すことによって採用が早まる可能性は高くなります。しかし、採用後の試用期間などの半年までに合わなく辞めてしまうケースも多く、そうなると長期化する傾向にあります。
本当に長期的な活動が前提となるケースは、アルバイトや派遣で、ある程度の収入を得ながら、そういう環境になった場合です。
 
ある本ではこういうことが書いてありました。経営者の大切な能力ベスト5の中で、楽観的な資質と、自分は「できる」という自信。この二つは特に大切だ、と。これは失業、再就職においても、この二つの能力、もっと正確に言うならば「楽観」と「できる」を失わないことが最も重要なキーワードで、できるというのは得意分野や経験のことではなく、解決が必要な問題に対して「解決できる」という自信、思い込みです。
まずは失業中、どのような問題が起こりそうなのかを考え、それに対して一つ一つ先手を打って、準備と心構えを整え、解決の布石を打っておくことが大切です。

それから、もう一つ大事なことは、他人からどういう評価を受けても、理不尽な結果を招いたにしても、決して人のせいにしてはいけません。そもそも、その問題が起きたことも、それを解決する能力も「自分の中」にあるという厳しさから外れないで下さい。
 店舗経営に関するこんな話しがあります。あるラーメン屋の主人が、近くに新しくできたラーメン屋を一元客になって偵察に行きます。帰ってきて主人は従業員に「全くたいしたことはない。メニューも少ない、店の造りはお粗末、味はごく一般的、行くだけ損した」と。
しかし、これでは何ひとつ自分の店の改善はないでしょう。もっと危惧することは、自分の眼が曇っていくことです。相手のどこを見ても、何ひとつ良い点を発見できないとすれば、それは自分自身にある悪い点に、何ひとつ気づいていない、と同じ意味といえます。