0046 そっと気づいて!

企業の募集、特に最近では書類選考が当たり前となってきています。となると、まずはこの書類選考に合格しなければ先はありません。それはインターネットを介した応募でも同じことです。
応募書類3セットとは「添え状」「履歴書」「職務経歴書(職歴書)」、の3通です。
この他には「自己PR書」や「礼状」があります。そしてこれらの書類を作成するに当たって「過去の棚卸し」や「エピソード」が柱として必要になってきます。それから内容をどのように整理するかについては「キャリアストーリー」「コンピテンシー」などの知識があった方が、より明確に表現ができるのではないか、そう考えています。

みなさんも既に応募して、書類作成の難しさを感じている方も多いのではないでしょうか?あるいは簡単に書いても選考は通過した、なんて方もいるでしょう。そもそも高い学力や、誰もが認める実務実績があれば、書き方の苦労はないのかもしれません。また簡単に選考を通っても、殆どの人が通過するような選考であるかもしれません。

何十社も応募するのであれば、毎回表現やアピールに悩みながら、漠然と処理しながら書くことは、次の書類の完成度が高くなったかどうか実感することはできません。そういう意味ではしっかりとした仕事や社会活動、趣味等において、自分は何を感じ、どのような行動をとってきたかという土台を書いて、自分の棚卸しを細かく作成し、それを有効活用することが必然となってきます。

それから選考が通過しなかった場合、どこがいけなかったのか、どの部分を改善すれば良いのか、そこには人の能力にどのような種類があり、どう分類されて表現するのか、そのあたりの知識にも備えが必要です。

また、上記以外にも大切なことが2つあります。

一つは企業の募集分析。どのような人材を求めているのか。コンピテンシーを使って、ある程度の人物像を作り、どの能力をアピールすればよいのかを仮説します。これは本当に難しい問題です。人物像なんかより、本当に数字の入った実績を書いた方が良い場合もありますし、過去のポジションや企業の知名度なんかが決め手になる。選考する担当者によっても異なりますし、その担当者の忙しさも関わってきます。「忙しさ?」と驚く人もいるかも知れませんが、ある人事担当者が書類選考に費やす時間は一人平均25秒だったくらいです。多忙の上に選考書類が山ほどくれば珍しいケースではありません。こうなるとインパクトや構成も重要になってきます。

そしてもう一つはモチベーションです。何十社も応募して、良い結果でなくても、いや、結果がでないからこそ、よりよい書類作りが要求されるのです。それには次は大丈夫という楽観も必要ですし、何より自信を持って書けたという実感がなければ、良い悪いの評価ができません。この書類選考は「結果」が全てですが、書類そのものの完成度は自己評価しかできません。もちろん他人に見せて評価してもらうことも可能ですが、結果に繋がるかどうかは未知な部分をふくんでいます。自己評価ができるとすれば、それは自己が持つ自信の強さに比例するでしょう。この自信の維持が書類作成ポイントになると思っています。


企業に自分の魅力を知ってもらう。自分で自分の能力や魅力を相手に伝えるというのは、ある意味で日本人には難しいコミュニケーションです。普段はそういう習慣がありませんから。「そっと気づいて!」的が日本人らしさ。しかし、相手は25秒しか見ない強者、そして競争相手は多数、伝える手段は文章。

そりゃ、難題です。