0089 健康保険7 退職したとき

会社を退職した場合、健康保険の加入や給付はどうなるのか、様々なケースが考えられますが、幾つか紹介しておきます。

● 保険給付中に退職したとき(継続給付)
退職すると現在加入している保険者(健康保険組合など)か脱退することになります。つまり、保険証は無効。このことを「資格の喪失」と言います。
この資格喪失前日までに継続して1年以上被保険者(加入していた)であった場合は、喪失していた際に受けていた傷病手当金および出産手当金は引続き支給される。
ただし傷病手当金は最長で1年半、出産手当金は出産前後98日の範囲で、既に支給された残りの期間が継続給付となります。

● 資格喪失のあとに有効な保険給付とは? 
1 死亡したとき → 資格喪失後3ヶ月以内、もしくは資格喪失後に継続給付を受け、最終日から3ヶ月以内である場合、埋葬料か埋葬費が支給される。
2 出産したとき → 資格喪失後6ヶ月以内に出産した場合、出産育児一時金が支給されます。
尚、死亡のときは加入期間に制限はありませんが、出産は資格喪失前に継続して1年以上の加入が前提となります。加入とは被保険者であったことです。

● 任意継続被保険者
退職しても引き続き、その健康保険を継続したい場合、最長2年間は継続可能です。条件としては資格喪失日の前日まで、最低2ヶ月以上継続して被保険者であったこと。資格喪失日から20日以内に申請が必要であること。
この時の保険料の算出は、標準報酬月額は退職時の月額が該当し、もしくは加入先の保険者(健康保険組合協会けんぽ)の全被保険者の平均、このどちらか低い方の額が適用されます。しかし全額自己負担、会社との折半は当然ありません。
尚、給付内容に関しては、退職前の条件とほぼおなじですが「傷病手当金」と「出産手当金」は給付不可です。
任意継続しない、あるいはできない場合は、国民健康保険に加入手続きをして被保険者になります。

何らかの理由で退職した場合、もちろん当分、生活には困らない貯金でもあれば別ですが、転職する必要があるのになかなか再就職が決まらない。こうなってくると次第に極貧状態へと近づいていきます。健康保険や年金そして税金。無職が長引いて苦しくなっていても、これらの社会保険料は納めないと請求が届いたり、利用できなくなったりします。

そもそも、こういう収入のメドがつかず、困り果てるときに、一番支えになって欲しいのが、この社会保障制度なのですが、実際には困窮してもあまり変わりはありません。

しかし、国保や年金、税金は行政が窓口なのですから、支払いが苦しいときは窓口に行って相談してみて下さい。減額請求や免除、猶予期間や分割方法など、支払う意志をみせ、少しでも有利に制度を利用して乗り切りましょう。

★当ブログ0338退職所得金額の計算→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20140115
★当ブログ0339退職所得勤続年数の計算→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20140117
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