0100 雇用保険1 保険料について

この内容は2013年10月に改編しています。

昔は「失業保険」と言いました。失業から生じる困窮の救済が目的の保険です。そして1975年に失業保険法は雇用保険法に改正されました。完全雇用を目指す、雇用における総合的な対策を目的とし、現在では高齢者や女性も安定、継続して仕事を行えるように新たな給付制度が設けられています。

失業における主な給付の種類は次のとおりです。
「求職者給付」・・・・・・一般保険者は基本手当、高年齢継続被保険者は高年齢求職者給付金、日雇労働求職者給付金など。
「就職促進給付」・・・・・就業手当、再就職手当、常用就職支度手当
教育訓練給付」・・・・・教育訓練給付
「雇用継続給付」・・・・・高年齢雇用継続給付、育児休業給付、介護休業給付。

雇用保険の保険料は、いわゆる給料から天引きされています。
給与計算事務では、この給料から天引きされる項目が決まっていて、これを「法定控除」と言い、次のようなものがあります。
(1)健康保険料・・・・・・・・・・・健康保険法
(2)介護保険料・・・・・・・・・・・介護保険
(3)厚生年金保険料・・・・・・・・・厚生年金保険法
(4)雇用保険料・・・・・・・・・・・雇用保険法
(5)源泉徴収税額(所得税)・・・・・・所得税法
(6)住民税・・・・・・・・・・・・・地方税法
上記(4)が雇用保険料で、雇用保険労災保険(従業員負担はありません)は「労働保険料徴収法」という法律で規定されています。
このとき雇用保険料と労災保険料の徴収を一元的に行われる事業を「一元適用事業」と呼び、別々に徴収する事業を「二元適用事業」と呼び、区分されています。二元適用事業は「地方自治体の事業」「港湾運送」「農林・家畜・水産など」「建設事業」があります。
雇用保険料の算出は「賃金総額×雇用保険料率」で、賃金総額とは毎月の給料の総支給額を指します。通勤手当などの様々な手当も範囲に含んでいます。

雇用保険料率は次のようになっています。(平成25年4月〜平成26年3月まで)
一般の事業       → 1,000分の13.5 → 1.35%  (0.5%)
農林水産業清酒製造業 → 1,000分の15.5 → 1.55%  (0.6%)
建設業         → 1,000分の16.5 → 1.65%  (0.6%)

上記が雇用保険料率で、実際の負担は従業員と会社側とで分担されています。( )内の数値が従業員の負担%で、給与から天引きされている雇用保険料の納付額は、一般事業の場合、給与の支給総額×0.005となります。計算上では1円未満を四捨五入します。
毎月の給料から引かれる社会保険の中で健康保険や厚生年金に比べると、ひと桁低い金額なのがこの「雇用保険」です。給与総額から計算されるので、給料が低いと支払い保険料も低く、得した様な感じになりますが、実際に失業して給付される場合も平均給与から計算されますから、結局は保険料が低いと、給付金も少なくなります。

それから保険料が安いのは助かりますが、実際には失業や雇用促進に係る費用は、この保険料だけで賄われておらず、一部は国庫から負担されています。

厚生労働省、保険料率(平成25年)→http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/dl/hokenryoritsu_h25.pdf
★賃金計算の概要(給与計算)→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130819
★総合案内ビジネスていレベル研究所http://d.hatena.ne.jp/sotton+sogou/
★当ブログ0231免責事項をお読み下さい。→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130102




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