0112 裁量型固定費

固定費と準固定費の次に必要な物は、衣服や靴、鞄、理髪などの身だしなみ、そして娯楽、趣味、教養と続きます。

衣服や靴などは生活上、絶対必要なものですが、これらのおカネの使い方は、毎月一定額を消費するものとは言えません。毎月、何かしら衣服を購入しても、ワンシーズンしか着用しない人もいれば、すり切れるまで着ている人もいるでしょう。また下着一枚にしても、スーパーの特価品もあれば、百貨店で購入する一流ブランド品もあります。500円のパンツはお手頃価格で、5000円のパンツは高級品であるとしても、買えない金額ではありません。つまり衣服類というのは、買う

本人の裁量で頻度や価格を自由に決定できる消費と言えます。それから必需品より「オシャレ」目的であれば、生活上とは言えず「趣味」の部類に入ります。

そしてこの「趣味」「娯楽」「教養」このあたりの費用も、自己裁量で出費額が決まります。収入に応じた遊び方や、カルチャー教室に通うことも良し、何らかのスポーツや観賞、カメラ、音楽、英会話など、自分が好きなことで、納得し、楽しめればいいわけで、それは衣服等と同様に不可欠なもので、ストレスの発散や人との交流、芸術的な渇望、結果的には自分自身が必要としていること、あるいは必要な物と位置づけられます。従って、これらの費用は「裁量型費用」と名付けました。

この裁量型費用は、必ず消費するものですが、その消費の質が問われる、言わばおカネの使い方を考える費用であるのではないでしょうか。例えば、衣服等にしても、オシャレには興味がなく、安くて丈夫であるなら何でもいい。ここで贅沢するなら、もっと他におカネを使いたい。そう考える方もいるでしょう。しかし、極端にここの費用を削ると、自分の身なりが清潔感を失い、他人から好感を持たれず、そうして自信も持てなくなる。そこまでいくと問題で、自己裁量なので自分で決定できますが、バランスも必要と言えます。

他には、クルマ好きな方で、自分の年収以上のローンを組み、それでも足りず、収入の殆どをクルマに注ぎ込んでいました。物凄く好きであるために、他人の忠告なぞ、てんで耳に入ってないようでした。本職の仕事が終わると、バイトに行き、そうやって一日中働きまくって、休みにクルマをいじる。そんな生活でした。しかし本人はそれで納得して、楽しんでいるのだから、別に他人が忠告する話でもない。もちろんダメとも、悪いとも言えません。それだけ熱中できることが羨ましくもあります。ただ、おカネの使い方に注目すれば「とても危険」であること。それが心配でした。

裁量型費用は、行きすぎると危険な財政状態に陥りやすい、しかし自分の生き甲斐に感じるものまで、節約や制限して行動する人生は「人生を楽しんでない」。そう嫌悪してしまうでしょう。難しい選択かもしれませんが、まあ借金するのであれば、ほどほどに!