0113 家計引当金

「家計引当金」、こんな言葉があるのか知りませんが。

家電製品を購入するとき、みなさんはどのような購入方法をしていますか?

例えば、ウォークマンやiPod、携帯電話等は現金やカード払いが多いのではないでしょうか。数万円であれば、金利が掛かるローンは必要ないかもしれません。しかし耐久財に近い冷蔵庫や洗濯機、パソコンに一眼レフ、機種にもよりますが、これらは少し高級になると数十万円以上する物が殆どです。収入が低いと、この数十万円の出費も容易ではありません。預貯金があれば、それらを取り崩すか、あるいはローンを組んで月々の固定費として消化するか、もう一つの方法は予め将来必ず購入する前提で預貯金をしておく。つまり企業会計でいう「引当金」の考え方です。

家電製品に限らず、将来必ず費用としておカネが必要になるもの。持ち家であれば修繕費等もそうです。マンションなどでは毎月の管理費の中の一部として積み立てているところも多いようです。独身の方であれば将来の結婚式等の費用、自宅購入の頭金の費用、あるいは自動車の頭金等、いずれ必ず費用として発生するもの。取り立てて言わなくとも、何かのために預貯金をしていれば、そこから支出になるのですが、これを予定して必要額を積み立てておくことが「引当」です。地方税である固定資産税も年に一度、請求がきますから引当が有効であると言えます。

この引当金の考え方は、費用の平準化とローン回避です。つまり一度に支払額が多いと、豊富に蓄えがあれば困ることもないでしょうが、蓄えが殆どない、しかし冷蔵庫等が急に壊れると出費も仕方ない。それから結婚式の費用もローンにすると、新婚生活から躓く可能性も出てきます。そういった後々困らないための積立なのです。

まあ、収入が少ないと引当も困難かもしれません。引当金は将来のための資金確保ですから、必ずしも最有効な方法とも言えません。今おカネを使う方が効果的なこともあります。自己投資に当たることはタイミングも大切ですから、引当を優先する必要もないでしょう。それから預貯金があったとしても、一度に多くの現金が出てゆくこともできる限りさけた方がいい。ローンを組んで月々の固定費にした方が、安心できるかも知れません。

ローンは金利が付きますから、総額の支払いではキャッシュのほうが少なくて済みますが、固定費として支払いの平準化ができますから、支払額ではなく、支払い方法として考えれば、不利であるともいえません。この場合、預貯金のキャッシュは残りますから、金利が低いローンであれば検討するべきでしょう。

引当金は、できれば家計の無駄をなくして、節約を試みて、そうして生み出された余剰金であるべきです。学費でも旅行でも計画して貯金できれば、後の出費が軽減できるのです。