0138 老齢基礎年金6 繰上げ支給

老齢基礎年金の支給開始日とは、65歳の誕生日の翌月から支給されます。

もう少し正確に言うなら、誕生日の前日が受給権の発生日となるので、例えば、10月1日が誕生日であるなら9月30日が受給権発生日となって支給は10月からになります。これが10月2日の誕生日の場合、受給権発生日は10月1日ですから支給は11月になります。

国民年金(基礎年金)の受給は、一般に65歳からですが、絶対的ではありません。受給資格期間を満たしていれば、60歳〜65歳未満であっても、受給が可能です。請求によって支給が成され、このことを「繰上げ支給」と言います。

公的年金は「年金請求(裁定請求)」→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20120719という手続きによって、実際に支給が始まります。裁定とはこの場合、受給要件を満たしているか否かの確認となります。65歳になれば自動的に、あるいは窓口に行けば支給されるものではありません。

さて、この繰上げ支給ですが、65歳以上と規定されているより早く受給するわけですから、とうぜん受給額が65歳時と比べてかわってきます。つまり65歳時を基準とすれば減額されて支給されます。この減額はひと月あたり0.5%で計算されます。

例えば、平成24年度の基礎年金の満額の受給額は年間で786,500円になっています。従って仮に、最大5年、5×12=60ヶ月で計算すれば30%の減額となり、
786,500円 × 0.7 = 550,600円(50円以上切上げ)の年間支給額となり、注意すべきことは、その後の受取額はこの減額された金額が、生涯の支給額となることです。

この計算でゆくと、60歳受給と65歳受給の差は、76歳7ヶ月の時点で受給累積額が、ほぼ同額を手にすることになります。日本の男性の平均寿命が平成22年では79.64歳なので、繰上げ支給が特別不利になるわけではなさそうです。しかし、この計算は平均寿命から見れば、の話なので、長生きすればするほど不利になってゆきます。

繰上げ支給の注意点は前記したように、
1,減額された受給額が生涯続きます。
2,77歳程度を境に長生きすれば、長生きする程、不利(損)になります。
3、請求が受理され、受給権が発生すると取消や変更は、一切できません。
ので、充分な検討が必要に思います。
他に、寡婦年金、障害年金、付加年金などにも注意が必要です。
 
※上記の月0.5%の計算対象者条件は昭和16年4月2日以降生まれの方で、それ以前に生まれた方は別の計算になりますが、年齢的に既に受給されている方が多数なので、ここでの説明は省略させて頂きます。尚、昭和16年4月1日以前生れの方は、役所の年金窓口や管轄の年金事務所に、ご確認をお願いします。

日本年金機構の老齢基礎年金、繰上げ受給について→http://www.nenkin.go.jp/n/www/service/detail.jsp?id=5539

日本年金機構の老齢年金について→http://www.nenkin.go.jp/n/www/service/detail.jsp?id=3902

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