0144 老齢厚生年金5 特別支給の支給額(定額部分)

さて、前回までは老齢厚生年金の特別支給における、報酬比例部分の支給額算出について解説でした。今回は、定額部分の算出になります。安心して下さい、報酬比例部分のように複雑ではありません。

計算式は以下の通りです。
1676円 × 生年月日に応じた乗率 × 被保険者期間の総月数 × 物価スライド率

まず、定額部分の単価、1676円は、平成16年改正の本規定では「1628円×改定率」となりました。しかし、物価スライド特例措置期間中(大雑把に言うと、物価下落があっても、年金支給額は減額計算しない)は1676円で算出します。
※改定率については当ブログ0137→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20120513

それから「生年月日に応じた乗率(乗率って前回も書いていますが、給付乗率のことです)」は、報酬比例部分の時と、また別物です。生年月日が昭和21年4月2日以降の方を「1」として、過去に遡るほど乗率は高く、大正15年4月2日〜昭和2年4月1日までに該当する方の乗率が最高で、1.875倍(3143円)となっています。

定額部分の被保険者期間には、上限が設けられています。生年月日によって以下のように上限設定されています。(報酬比例部分にはありません)
昭和4年4月1日以前生まれの方・・・・・・・・・・・・・・・・・420ヶ月(35年)
昭和4年4月2日〜昭和9年4月1日生まれの方・・・・・・・・・・432ヶ月(36年)
昭和9年4月2日〜昭和19年4月1日生まれの方・・・・・・・・・444ヶ月(37年)
昭和19年4月2日〜昭和20年4月1日生まれの方・・・・・・・・・456ヶ月(38年)
昭和20年4月2日〜昭和21年4月1日生まれの方・・・・・・・・・468ヶ月(39年)
昭和21年4月2日以後生まれの方・・・・・・・・・・・・・・・・480ヶ月(40年)
 
※ 厚生年金保険の特例である、中高齢者の期間短縮特例の場合、被保険者期間が20年未満でも受給資格期間を満たすことができます。この時の被保険者期間は240ヶ月での計算になります。この特例の対象になる者は、昭和26年4月1日以前生まれの方で、被用者年金における期間短縮の特例とは、別になります。(当ブログ0135 老齢基礎年金3を参考にして下さい→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20120509

★当ブログ0231免責事項をお読み下さい。→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130102