0148 老齢厚生年金9 繰上げ支給(報酬比例部分)

老齢厚生年金の特別支給において、男性では昭和24年4月2日〜昭和36年4月1日生まれ、女性では昭和29年4月2日〜昭和41年4月1日生まれまでの方は、定額部分の支給はなくなり、報酬比例部分の段階的な引き上げが、前記の年齢幅で行われてゆき、それ以降の生年月日の方は、特別支給の請求ができない対象外にあたり、本規定である老齢厚生年金の65歳以上からの支給となります。

特別支給の報酬比例部分の繰上げは、制度上できません。もともと、老齢厚生年金に当たる部分(報酬比例部分)は、単独で繰上げることを認めていません。つまり報酬比例部分を繰上げる場合、必ず基礎年金(定額部分)も繰上げなければならないのです。従って、前記の年齢の方は、定額部分の支給はありませんから、報酬比例部分の繰上げ方法がない。そうのような解釈になります。

上記のように、特別支給で報酬比例部分のみが支給される世代が、繰上げを行う場合、一般的には、65歳から支給される老齢基礎年金の繰上げになります。この場合は定額部分が老齢基礎年金の繰上げに相当し、報酬比例部分は通常の特別支給での受給になります。

しかし、どうしても60歳からの年金受給が必要な方は、老齢厚生年金(65歳からの)の繰上げ、いわゆる老齢基礎年金と報酬比例部分(老齢厚生年金)の両方の繰上げを請求する方法しかありません。この場合、特別支給の報酬比例部分は支給額計算から除外、つまり、支給されませんので、有利な方法とは言えません。
 
※ 老齢厚生年金の特別支給(定額部分、報酬比例部分)は、基本的に繰上げ、繰下げの消極的対応と言えます。
まず、繰下げについては対象外で、上乗せされません。つまり不支給となり、その分が損となります。
繰上げについては、結局のところ65歳からの老齢厚生年金を前倒しにして、その分を特別支給の支給額と調整するかたちで、特別支給そのものが、前倒しになって計算さあれるものではありません。

尚、報酬比例部分を繰上げした時の年金額計算は、基礎年金と同じ計算で、65歳時の年金受給額(年間) × (1−繰上げ月数×0.5%)です。基礎年金の繰上げ支給額計算については、当ブログ0138を参考にして下さい。→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20120515

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