0199 所得税9 利子所得1 利子所得の範囲

税法上の利子所得に該当する範囲は、以下の通りです。

所得税法上の利子所得
(1) 公社債の利子(当ブログ0200、0201)→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20120923
(2) 預貯金の利子(当ブログ0200)→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20120921
(3) 合同運用信託の収益の分配(当ブログ0202、0203、0204)→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20120927
(4) 公社債投資信託の収益の分配(当ブログ0205)→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20121001
(5) 公募公社債等運用投資信託の収益の分配

租税特別措置法上の利子所得
(6) 国外公社債等の利子
(7) 勤労者財産形成貯蓄契約である生命保険契約等に係る差益
(8) 勤労者財産形成年金貯蓄契約である生命保険契約等に係る差益
(9) 勤労者財産形成住宅貯蓄契約である生命保険契約等に係る差益

所得税法上の利子所得に該当せず、雑所得となるもの
(10)学校債、組合債等の利子
(11)会社や友人、親類等に借りた利子
(12)公社債の償還差益または発行差金
(13)定期積立金または給付補填金(銀行法で制限されているもの)
(14)その他

●利子所得ではあるが非課税となるもので、手続きが不要なもの
(16)年利1%を超えない当座預金の利子
(17)子ども銀行の利子
(18)納税準備金の利子
(19)納税貯蓄組合預金の利子

●利子所得ではあるが非課税となるもので、手続きが必要なもの
(20)障害者等の少額預金の利子
(21)障害者等の少額公債の利子
(22)勤労者財産形成住宅貯蓄の利子
(23)勤労者財産形成年金貯蓄の利子
(24)特定寄附信託の利子
(25)その他

利子所得の場合、その所得を獲得するために費用はかからないとされています。従って利子額=所得額となります。

所得税法上の利子所得に該当する範囲は上記の通りですが、所得税法には「利子所得」の概念について定義されていません。しかし、上記の「利子」とするものを推測すれば、まず預貯金の場合は銀行や郵便局に対して、現金資産を「預ける」という形式になります。

それに対して社債等では、預けるというより企業への「貸付」の意味が強くなります。また、信託の場合では財産を提供し、その「権利の報酬」と解釈できます。これらの事を考えると、資産提供時の契約に関しては、ゆるい制限で、共通することは、まず元本割れが起こらない、契約や申し込みに費用が掛からない、不特定多数に対して同じ条件で利子が発生する、予め期限や利子率等の約束がある。などが所得税法上の「利子」として、認識する条件として挙げられます。

利子所得の課税方式については、昭和62年までは、総合課税の選択が可能でしたが、現在では利子額に対して15%所得税と5%住民税との計20%が源泉分離課税として、源泉徴収され、納税が完結します。

※ただし、平成25年1月から、現行の予定では平成49年12月末までの所得のうち、源泉徴収の対象となる所得に対し、所得税率に2.1%乗じた額が上乗せされます。これは東日本大震災の復興による特別措置とされています。所得税率が結局1.021倍になりますから平成25年以降の利子所得の税率は15.315%+5%で、計20.315%になります。