0217 所得税27 不動産所得4 不動産所得と譲渡所得
不動産関係の法律は税法だけに限らず、数多くの法律が存在し、またその内容も複雑です。
「借地権」は、建物の所有を目的とする地上権もしくは土地の貸借権を意味します。つまり土地を借りて、その土地を利用して建物を建てて活用するわけです。
このことだけを見ると単純なのですが、法律上の規定や制限、権利の範囲、実際に生じる利害関係は一筋縄ではいきません。
また平成4年に施行された新制度である「借地借家法」も、旧法によって契約、更新された事案については適用されず、旧法の効力が強く残されたままで、新制度が存在し、法律そのものが複雑化しているのが現状と言えます。
借地権には「普通借地権」と「定期借地権」に分かれ、それぞれ契約の設定や存続期間等が異なりますが、一般的には普通借地契約の場合は更新が可能で、定期借地契約の場合は更新ができないとされています。また定期借地権は「一般定期借地権」「事業用定期借地権」「建物譲渡特約付借地権」に分かれ、それぞれ設定期間や契約方法等が異なってきます。
さて、この借地権では、その地域の取引慣行によっては、借地権の設定時に「一時金(権利金)」を受取る場合があります。これは地域によって異なるため、どれくらいの金額であるのかは一定ではありません。
この一時金の慣行がある地域で、借り手方が一時金を支払わなかった場合または通常よりも少額であった場合は、地主から借地人へ贈与があったとみなされます。慣行がない地域では、この問題は生じません。
※一時金(権利金)の受ける慣行がある地域の場合、贈与とみなされない相当額とは、相続税評価額の6%や通常取引額の6%等の算出方法があります。
一時金は性質的に、将来その条件によって一部が返金されるもの「保証金や敷金」と呼ばれるものと、返金されない「権利金や礼金」等があります。
通常これらの収入は不動産所得としてあつかわれますが、この返金されない一時金である権利金等の受取額が、その土地の更地価額の2分の1を超えると、個人などの地主では「譲渡所得」として計算されます(法人では益金算入となります)。
また、将来返金が生じる一時金、保証金等の扱いについては、次回の不動産所得に該当する収入で!
※国税庁、譲渡所得の対象となる資産→http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3105.htm
※国土交通省、定期借地権→http://tochi.mlit.go.jp/chiiki/lease/doc2-1.html
※三輪税理士事務所、借地権課税対策室→http://www.shakuchiken.com/
★当ブログ0231免責事項をお読み下さい。→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130102
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