0218 所得税28 不動産所得5 不動産所得に該当する収入

不動産所得に該当する所得には、以下のようなものがあります。

家賃、地代、名義書換料、更新料、共益費、保証金、敷金、権利金、礼金などの不動産賃貸における収益。

家賃や地代、更新料や共益費については通常、これらの収入は契約で定められた支払日が収入計上する日となりますが、支払日が定められていないものについては、実際に収入を得た日もしくは請求があった日を期日に計上します。

権利金や礼金等の将来返金しなくてもよい収入については通常、引渡しの日もしくは契約上の効力が発生する日を、収入計上します。

また、保証金や敷金等の将来返金がある収入については、
(1) 将来、全額返金する場合は収入の計上はありません。
(2) 契約期間に関係なく返金をしない部分の収入については、引渡しの日あるいは契約上効力が発生する日に収入計上します。
(3) 貸付期間が長くなるに伴って、返金する金額減少する場合は、期間が増す毎に収入が増加しますので、その増加分を返金しないことが確定した日に収入計上します。
(4) 貸付期間の終了、もしくは解約によって返金する金額が確定する場合などは、その期間終了日や解約日が収入計上とされます。

※ 収入の計上時期については、例えば家賃が月末払いで、それが翌月の賃料であるケース、2012年の12月末日に払込む家賃が、2013年1月度の賃料である場合、2012年度の収入であるのか、2013年度の収入であるのかが問題となります。実際に収入を得たのが2012年であるので、その年の収入に計上しても、あるいは期間対応を重視して翌年の収入として計上しても、どちらでもOKです。前者を現金主義と言い、後者を発生主義と会計用語では呼んでいます。簿記上の記録は現金主義の方が簡単ですが、青色申告では不利になる場合があります。

※ 供託家賃。例えば今まで5万円だった家賃が「来年から家賃を1万円値上げします」と家主側から通告があって6万円の支払いとなり、その値上げ額に納得のいかない場合、納得いかないからと言って家賃の支払いを拒否して払込まない場合は、契約不履行として法律的には不利になります。そこで供託所に供託金として預けることによって契約不履行を免れ、値上がり分の弁済を拒否する形をとります。この時、家主側の収入計上は、通常の家賃の支払い日に計上し、供託金を超える額については、判決あるいは和解があった日に計上することとなっています。

※ 定期借地権の設定による保証金等の経済的利益、つまり保証金の運用による利益についての課税ですが、業務に係る資金の運用や、その資産の取得資金に充てられる場合等は、適正の利率によって計算した利息相当額を、保証金の返金までの各年度に不動産所得として収入計上し、同時にその同額を費用として計上します。また、その保証金を定期預金等の一定の金融資産として運用した場合は、その運用した利益は不動産所得の計算から除外しますが、これらの運用は金融商品としてそれぞれ課税の対象とされます。

国税庁、不動産所得の収入計上時期→http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1376.htm
※三輪税理士事務所、借地権課税対策室→http://www.shakuchiken.com/

★当ブログ0231免責事項をお読み下さい。→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130102

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