0229 所得税39 事業所得9 売上原価と棚卸資産

12月31日は、その年の所得を計上する締日となります。事業所得では、様々な業種がありますが、製造業や小売業等では、その時点での在庫額を調べて、1年間の仕入額を計算する必要があります。つまり、売上に対する仕入額を期間対応して算出します。

売上原価の算出式は以下の通りです。
売上原価 = 「期首商品棚卸高」+「当期商品仕入高」−「期末商品棚卸高」です。

上記の式で期首商品棚卸高とは、前年の12月31日の締切り時点で全ての商品の総在庫金額です。簡単に言えば去年の売れ残り商品です。それと今年度1月1日〜12月31日までの商品の総仕入れ金額から、今年度の12月31日時点の商品の総在庫金額を差し引きます。この金額が今年度の売上原価となります。今年度の期間中、売上に対する原価費用の額で、事業所得として計算するときに、費用として損金算入します。

この棚卸商品は様々な物がありますが、大きくは2つに分かれます。それは前述した仕入れによる品物と、自家製造した製品です。

棚卸資産には次のような物があります。
「商品」・・・・・・・・・・・仕入れた物品等
「製品」・・・・・・・・・・・自ら製造した商品
「半製品」・・・・・・・・・・製造、加工の工程途中であるが、次の工程、加工業者等に販売可能な状態の製品。完成品ではないが販売できる状態であるものです。部分完成品。
「仕掛品」・・・・・・・・・・完成品でない、工程、加工途中の状態である製品で、未だ販売できない製品状態の物。
「主要原材料」「補助原材料」・製品を構成する部品や材料、その組立等に消費する材料。

※ この材料や消耗品について、定期的に消費する量を超過して余剰がある場合(1年間の通常消費を上回る量)、それらは「貯蔵品」として棚卸資産の計上が必要になり、その分、費用としての損金算入額が少なくなります。

※ 売上原価で自家製造した場合の製造原価の算式は「期首仕掛品の棚卸高」+「今期の総製造費用」−「期末仕掛品の棚卸高」となります。

また、棚卸商品には、その取得時に係った費用を含めることができます。その商品を仕入れるときに運送費や手数料等を支払った場合は取得価額として、仕入れ代金に含み、その含んだ額を棚卸資産として計上します。

この商品仕入れ等に係る費用としては、引取り運賃、荷役費、運送時の保険料、購入手数料、関税などがあります。
また、地方税などの費用は取得価額に含めないこともできます。不動産取得税、地価税、固定資産税、都市計画税、登録免許税などの費用が該当します。商品の取得価額に算入しなくて良いので、棚卸資産として計上しない方が、節税となります。

製造した場合の取得価額、つまり製造原価に含む費用としては「原材料費」「労務費」「経費」とその製品を完成させるに至る、ほぼ全ての費用を計上することができます。

国税庁、平成25年分、青色申告決算の手引き→http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2013/pdf/36.pdf
★当ブログ0231免責事項をお読み下さい。

これで2012年の「ビジネスていレベル研究所」のブログは最終となります。次は2013年1月15日から続きを再開する予定です。次回は「棚卸資産の評価方法」です。
この事業税の内容とは別に、1月1日の元旦には「今年の予定」、1月2日には「免責事項」の案内をさせて頂きます。

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