0260 ていレベル読書3 「よくわかる最新BIMの基本と仕組み」
図解入門よくわかる最新BIMの基本と仕組み (How‐nual Visual Guide Book)
- 作者: 家入龍太
- 出版社/メーカー: 秀和システム
- 発売日: 2012/06/19
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
建築物を観たり、中に入ったときの独特の空間を味わう。テレビや雑誌で世界の大都市の象徴的なビルや、あるいは有名な建築家が設計した公共施設など、実際にその現場に行って体感したい、私の建物への興味はこの程度です。つまり、完成したものを眺めるくらい。
本屋さんで偶然「BIM」というアルファベットが目に留まるまで、それが建築に関する用語であることさえ知りませんでした。
と言うわけで、設計や建築に関する話は、私にとってほとんど「想像の世界」なのですが、その貧弱な想像を遥かに超えた「驚き」と「なるほど」で別世界へ連れて行ってくれます。
BIMはBuilding Information Modelingの略で、コンピュータ上での仮想建築で、その建物の設計はもちろん、建築に関する属性情報を殆ど網羅して、そのソフトの中にデータとして構築できます。
例えば、クライアントから地上40階、地下4階の高層ビル建設の依頼があるとします。様々なプロセスを経て、最終的にはクライアントの希望に叶うよう、現実に高層ビルを完成させるわけですが、その前にコンピュータ上にこの40階建の実物のビルを3Dで建築してゆきます、そのソフトウェアの名称がBIMなのです。
CGパースと呼ばれる外観のデザインや完成図も3Dなので様々な角度からも見ることができ、部分的な拡大もできます。もちろん設計も大きな骨組みの段階から、各部分の小さな素材まで構築できます。各フロアの見取り図、その床の素材や性質に色、その床の下に隠れている配管の太さ、断面形状、どこに発注し、どの会社が製作したのか、ありとあらゆる情報が、現実に建設した時と同様に仮想内に存在します。
また平面上の設計では、立体的でないため実際に施工が始まると、立体交差するはずの配管にスペースがなくて交差できない、こういったトラブルが頻発し工期が遅れたりするそうです。しかし、BIMの仮想建築ではサーバーにアップするため、関係者はその仮想建築のビルを見ることができ、具体的な箇所においてトラブルの想定ができるため、事前に解消ができるという仕組みになっています。
他には、様々なシミュレーションが可能となっています。構造計算はもちろんです。熱流体、津波、照明、避難、落雷など等。
このBIMの出現によって時間、施工ロス、コストの大幅な削減が可能となったそうです。
様々な分野で革新的なソフトウェアが開発されています。近い将来、素人がビルの設計することもソフトウェアが可能にしてくれるでしょう。