0278 所得税82 譲渡所得12 登記事項証明書、権利部

登記事項証明書の「全部事項証明書」の表題部につては前回のブログで簡単に説明しました。今回は引続き「権利部」についてです。

権利部では「甲区」と「乙区」に分かれています。
このうち甲区は所有権に関する記録で、乙区は所有権以外の権利に関する記録となっています。

●甲区の場合には「順位番号」「登記目的」「受付年月日・受付番号」「原因」「権利その他の事項」となっています。
(1)順位番号
申請を受理され登記された順番です。所有権が移転すると順位番号1番のAさんから、順位番号番2番のBさんへ所有権移転登記が成され、つまり番号が高い程、新しい所有者、現在の所有者ということになります。

(2)登記目的
新築された場合には「所有権保存」で、譲渡されると「所有権移転」といった具合に記載されます。

(3)受付年月日・受付番号
登記の申請を受付けた年月日の記録と、受付けた順に番号を記載します。

(4)原因
これは「売買い」とか「相続」とか、言わば移転した手段のことです。

(5)権利その他の事項
ここには所有権の氏名、住所が記載されます。(1)の順位番号で、所有権が移転された時の記録は「主登記」と呼ばれるもので、所有権は移転せず所有者の氏名や住所が変更された場合には「付記登記」と言い、主登記の下に「付記1号」として内容は、この「権利その他」の項に記録されます。付記登記は主登記に属する内容の変更等を付け足すものなので、主登記の順位は変わりません。
尚、所有の形式としては単独だけではなく「共有」も可能で、それぞれの持分が記録されます。

「仮登記」は、言わば本登記の予約的な役割で、仮登記の順番で本登記されます。また、「抹消登記」では記録そのものを消して部分的な白紙にするのではなく、記録していた箇所に下線が引かれます。

●乙区の場合も甲区と同じ記録項目です。
乙区では所有権以外の権利となりますので、担保権では抵当権、根抵当権、質権等で、用益権では貸借権、地上権、地役権などがあります。ここでは「抵当権」を参考にします。
(1)順位番号
権利の順位を示すものですが、抵当権を行使した場合この順位番号が低い順、つまり1番から優先的に弁済を受け、次に2番目、3番目となってゆきます。
抵当権はあくまでも債務者の返済が滞ったときに弁済を受けるための優先権なので、所有権とは意味が異なる権利です。そのために「甲区」「乙区」と分けているのですが、所有権では所有者が変わると順番に記録されていますが、抵当権では権利の移転で抵当権者に変更があっても順位は変わらず「付記登記」になります。

(2)登記目的
「抵当権」や「賃借権」などです。

(3)受付年月日・受付番号
申請が受理された年月日と受付番号です。

(4)原因
抵当権では債務を担保するため登記されますので、例えば「金銭消費貸借」などと記載されます。

(5)権利その他の事項
債務者の氏名や、抵当権の債権額、利息、損害金等が記載されます。
登記事項証明書の大雑把な解説をしましたが、権利部にあたる甲区、乙区については様々ケースがあります。実際にご自分で登記事項証明書を確認されるとき、内容確認に自身が持てない場合や、疑問がある箇所等が存在した場合は必ず専門化である司法書士、あるいは土地家屋調査士の方にご相談下さい。

※自分で登記.com登記事項証明書の見方→http://www.jibundetouki.com/kisochishiki/toukijikoumikata.html

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