0282 所得税85 譲渡所得15 定期借地権

平成4年8月から施行された「借地借家法」では、存続期間を設けその存続期間が満了とともに契約が終了し、更新がありません。

定期借地権は大きく分けると3つあり「一般用」「事業用」「建物譲渡特約」があり、それぞれに一定の要件があり、また特約があります。
(1) 一般定期借地権
存続期間は50年以上とされ、契約期間満了に伴い更新はなく、契約は終了となります。
契約については必ず書面で交わし、書面についての制限はありませんが、一般的には「公正証書」による内容の設定を勧めています。
また、一般定期借地権では登記が可能とされ、登記事項証明書の権利部「乙区」に記録されます。ただし、登記が「必要」ではなく、「可能」なので、できるだけ登記した方が望しいとされています。
★当ブログ0278当記事項証明書→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130525

50年以上の存続期間後に更新をしない旨は「特約」によって設定が必要です。通常の借地契約での存続期間後は、建物がある限り更新となる可能性が非常に高いわけですが、定期借地契約では、この特約によって更新不可となり借地権が消滅します。
期間の延長についても、建物の滅失等により借地人が新たに建物を再築した場合、普通借地権では存続期間の延長が認められますが、一般定期借地権ではこれも特約によって存続期間延長の排除が可能です。この特約によって建物が再築され、建築上の寿命が長くとも期間が延長されることはありません。また、存続期間満了によって建物の買取請求をしない旨の特約を定めることもできます。

(2)事業用定期借地権
事業用建物の所有目的としての定期借地権ですが、事業用建物としての範囲は「居住部分があってはならない」とされています。従って、賃貸マンション等も除外されます。
存続期間は30年以上50年未満とされ、契約は「公正証書」によるものでなければならない、とされています。
一般用定期借地権と同様、特約によって更新、期間延長、買取請求不可が実現できます。
事業用の場合は上記の「事業用定期借地権」と「事業用借地権」があり、事業用借地権では、特約によって条件の制限を行うのではなく、更新や期間延長、建物の買取請求などは制度上の適用がありません。通常では設定された存続期間満了時には更地にして土地の返還をする契約内容となっています。存続期間も短く10年以上、30年未満とされています。
(3)建物譲渡特約付借地権
この契約は、契約時に設定された存続期間が満了になったとき、地主側がその建物を買取ることにより、借地権が消滅します。存続期間は30年以上とされています。尚、建物の用途については制限されていません。
契約締結はできるだけ法的効力のある書面、できれば登記された方が良い、とされていますが、これらに法的な義務はありません。
また、存続期間が満了し、地主側が契約に基づいて建物を買取り、その上で借地人が建物を継続して使用している場合には、新たに借家契約を締結する必要があります。

※この内容については一定の確認をしておりますが、確かな情報を必要とする場合において、また、現実にこれらの契約や利害関係が働くような場面では必ず、専門家の方にご相談、ご確認をお願いします。

★当ブログ0231免責事項をお読み下さい。

★上記の本の感想文は当ブログ280で読めます→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130528