0283 所得税86 譲渡所得16 借家権

借家契約においても大きくは「普通借家契約」と「定期借家契約」とがあります。尚、借地借家法は平成12年3月以降改正の現行を基にしています。借地権のように旧法のまま更新されている場合には、旧法が適用されます。

(1)普通借家契約
契約には書面で交わす法的義務はありませんが、書面によって締結した方が無難です。
存続期間について借家の場合は土地のように長期的な契約を前提としていません。従って、期間を定める場合でも1年以上で、1年未満の場合は「期間の定めがない」契約とされ、原則的には当時者の自由で、長期的な期間についての制限はありません。
更新については家主側と、借主側とで規定が異なりますが、借家契約の場合の更新は、通常そのままの契約条件を継続して、期限については「定めがない」とされます。更新しない場合は家主側が「更新拒否」」をするか、借主側が期間満了に伴って解約することになります。
家主側が更新拒絶する場合には、正当事由が必要とされ、期間の定めがある場合には1年〜6ヶ月前に、期間の定めがない場合は6ヶ月前に予告通知が必要とされます。
借主側で解約の申し出を行う場合には3ヶ月前とされています。尚、期間の定めがある場合には、通常その期間満了までは解約できません。

(2)定期借家契約
この契約には期間等の事前説明の上(この事前説明も書面による交付が必要とされます)、公正証書での締結が必要です。(建物賃貸借契約)
建物の用途に関する制限はなく、契約の存続期間につても制限なく自由です。1年未満であっても可能です。
定期借家契約の場合は、もちろん契約する上で期限を設けて、その期間が満了と同時に借家権は消滅しますが、当事者の合意によって事実上の更新は可能とされています。この場合は更新と言うより、再度、定期借家契約を締結するため、その時も公正証書による締結が必要になります。
1年以上の期間で契約する場合、その契約期間満了の1年〜6ヶ月前に契約終了の予告通知が必要で、この通知義務を忘れて借主側がそのまま建物を使用した場合、対抗できないとされています。つまり、いくら契約に期間を定めていても、この予告通知が遅れると、通知から6ヶ月間は借主側に建物の使用を認めなくてはなりません。

また、借主側の解約について特約条項としての解約条件がない場合、通常では解約不可とされています。しかし、やむを得ない状況となった場合に限り解約を認めています。それは、賃借物件が日常生活に使用する住居で、居住面積が200平方メートル以下であり、転勤、療養、親族の介護等が正当事由に相当とされ、このような場合には1か月前の予告期間で解約ができるようになっています。

尚、期間満了や解約時に起こる現状回復、これは借主側の義務で、修善にあたる箇所は家主側とされていますが、その内容や範囲については省略させて頂きます。

※この内容については一定の確認をしておりますが、確かな情報を必要とする場合において、また、現実にこれらの契約や利害関係が働くような場面では必ず、専門家の方にご相談、ご確認をお願いします。

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