0294 所得税97 給与所得2 給与所得に該当する人

国税庁のホームページで「給与所得」の項を見ると「給与所得とは、勤務先から受ける給料や賞与などの所得」と記されています。また、所得税法28条では「給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費、賞与、これらの性質を有する給与」とされています。

さて、勤務先から受ける給料等が給与所得に該当する、これで殆どのことは説明つくと思います。ただ、給与所得も他の所得と同様に「給与」と言う収入の性質を定義していません。なので、やはり場合によっては少し微妙な点が残ります。

給与を貰う人を考えてみましょう。正社員、準社員契約社員、パート、アルバイト、請負社員、派遣社員。これらは雇用契約によって、その労働者の待遇や地位は異なりますが、雇用されている先から給料を貰っているので、給与所得に違いありません。

では、企業(法人)の取締役等の役員報酬は給与所得としての所得税として課税されるのでしょうか?これも同じく給与所得として扱われます。

役員の場合、受け取った報酬や賞与は給与所得に該当しますが、企業側の税務処理については一定の要件を満たす必要が出てきます。役員報酬は原則、その適切な報酬額は株主総会の決議が必要となり、限度額や変更手続きについては定款に記載していた方が良いとされています。また、毎月きまった日に一定の額であることも条件となります。定額でなく、月によって増額したりすると役員報酬ではなく、役員賞与扱いとなる可能性が出てきます。役員報酬は損金算入、つまり経費として費用計上できますが、役員賞与の場合は損金算入できません。この他、収益とのバランスや職責に見合う報酬額であるか等も要件に入ります。

生命保険等を訪問して販売する外交員はどうでしょう?報酬の殆どは保険契約獲得によるものです。このような場合は、固定給に当たる部分が給与所得に該当し、契約獲得の歩合報酬に当たる部分は事業所得となり、確定申告することになります。

給与所得は皆さんがご存知の通り、毎月の給料から源泉徴収として所得税が天引きされています。この源泉徴収による所得税の対象は様々な報酬や料金が該当します。作曲や原稿、デザイン料、著作権料、講演料など他。また、弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士中小企業診断士などの報酬。これらの報酬は、法人対法人の報酬では所得税の範囲ではありませんが、活動が個人である報酬は源泉所得税として課税され、場合によっては給与所得、もしくは事業所得、雑所得となります。

★賃金計算の概要(給与計算)→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130819
★当ブログ0195源泉徴収制度→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20120911
国税庁、給与所得→http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1400.htm