0295 所得税98 給与所得3 労働者に関する法律

企業や事業主である経営者が、労働者を雇用するにあたって、勝手に都合よく何ら制限なく自由な条件で雇用できるわけではありません。使用者の労働者に対する強制的行為を抑制し、労働者保護の目的で様々な法律、規制があります。

(1)労働基準法
主に労働者の雇用契約、労働条件を規定した法律で、雇用期間、労働時間や休日、賃金やその計算、労使協定や就業規則等について、使用者が労働者に対し最低限守らなければならない基準、規定を示したものです。
労働基準法は企業、会社単位に適用されるのではなく、支店や支社などの事業場ごとに適用されます。
また、就業規則はその事業場での労働条件を定めたもので、始業と終業の時刻や休憩、休日、休暇、賃金とその計算、しはら方法や支払い日、退職規定などを記載し定めます。この就業規則は常時10人以上の雇用がある場合は作成し、管轄の労働基準監督署長への届出が必要です。もちろん、労働基準法に満たない条件があれば、その部分は無効とされます。
ちなみに労働基準法では「契約期間」「就業場所」「仕事内容」「始業、終業の時刻」「時間外労働の有無」「休憩、休日、休暇」「賃金」「退職に関する事項」を、文書交付による明示を義務付けています。

(2)労働安全衛生法
労働安全衛生法労働災害の防止、労働者の安全と健康の確保、快適な職場環境づくり等を目的とした法律で、労働基準法とセットになる法律です。
安全管理者、衛生管理者、安全委員会、衛生委員会、産業医等の設置義務や規定の他、特定機械等、危険物、有害物等の就業管理ほか、労働者の安全衛生教育や健康診断の実施等を定めています。

(3)労働者災害補償保険法→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20120221
いわゆる労災保険です。すべての労働者が対象とされていますので、事業所は1人でも労働者を雇用していると労災保険の加入義務が生じます。全額事業主が負担し、派遣社員の場合は派遣元が義務を負います。

業務上の負傷、疾病、障害、死亡等に対して保険給付があります。また一定の条件を満たした上で通勤途上の負傷や、うつ病精神障害等も対象となっています。職場への復帰までを目的としています。
★労災、通勤途上→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20120227
★労災、心の病気→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20120225

(4)雇用保険法http://d.hatena.ne.jp/sotton/20120303
労働者の失業や教育訓練、育児休業などにおいて給付や支援を行い、再就職の支援を行います。

上記4つ以外にも労働者を保護する法律は「労働組合法」「労働関係調整法」「労働契約法」「パートタイム労働法」「男女雇用機会均等法」「育児・介護休業法」「最低賃金法」「高年齢者雇用安定法」「障害者雇用促進法」などがあります。

★賃金計算の概要(給与計算)→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130819
厚生労働省、パートタイム労働法の概要→http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/06/dl/tp0605-1i.pdf
★コラム?安全配慮義務http://d.hatena.ne.jp/sotton+column/20130630/1372603755
★コラム?パートタイム労働法→http://d.hatena.ne.jp/sotton+column/20130704/1372899423
★コラム?労働協約http://d.hatena.ne.jp/sotton+column/20130802/1375405181