0312 所得税115 給与所得20 産休、育児休、介護休など

前回の年次有給休暇労働基準法39条によるもので、産前産後の休業について労基法65条で定めています。また、育児・介護については育児・介護休業法により定めています。

●産前産後休業
労働基準法では「使用者は、6週間(多胎妊娠の場合には、14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合、その者を就業させてはならない」とされています。本人からの休業請求がない場合は、出産日まで労働をさせても違法ではありません。
しかし、妊娠中の女性は請求によって「軽易な業務」への転換、時間外労働や深夜労働の従事から外れることが可能です。
また、「使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後6週間を経過した女性が請求した場合、その者について医師が支障ないと認めた業務に就かせることは、差し支えない」とされています。つまり、産後の場合は6週間は就業不可となります。

産前産後以外でも女性は、生理によって勤務が困難な状態である場合、休暇の請求ができます。
上記の休業や休暇に対して賃金を支払う規定はありません。しかし、就業規則などによって支給の旨を定めることは可能で、定めている場合はその規定にそって支給することが必要です。
また、賃金支払義務はありせんが、勤務としては出勤扱いとなり、欠勤でカウントすることはできません。

育児休業
育児休業は満1歳に満たない子を養育する従業員が、会社や事業主に申出によって休業する制度です。
この制度は平成22年7月に改正、施行となったもので、常時100人以下の従業員を雇用する事業主に対しては平成24年7月施行とされています。労働者の生活環境に合わせ仕事と子育てをより両立し易い制度に改正された内容となっています。
主な内容として次のような制度が挙げられます。

(1)原則として育児休業の期間は、子が1歳になるまでですが、父母ともに育児休業を取得する場合は1歳2ヶ月まで可能となっています。(パパ・ママ育休プラス)

(2)原則として一人の子に対し、1回の育児休業になっていますが、父親の場合は産後8週間の期間に育児休業を取得したとき、(1)の期間内に再度、育児休業を取得することが可能となりました。
(3) 3歳までの子を養育する従業員が請求によって「短時間勤務制度(1日6時間)」を利用できます。

上記の場合、正規雇用を前提としていますが、非正規雇用などの「有期労働契約」では次の要件を満たす必要があります。
(イ) 継続される雇用期間が引続き1年以上あること。
(ロ) 子が1歳到達日を超えて、引続き雇用される見込みがあること。
(ハ) 子が1歳到達日から2歳までの期間で雇用期間が満了となる場合、更新の打切りが確定していないこと。

●介護休業
対象家族が「要介護状態」なった場合に、会社や事業主に申出によって休業できる制度です。
休業期間は、所定労働時間の短縮措置が取られた日数と休業した日数と合算して最大93日を限度としています。介護状態ごとに、複数回の取得が認められています。

また、休業の申出を行う従業員の「有期雇用契約(非正規雇用)」の場合は、下記の要件を満たす必要があります。
(二)雇用期間が1年以上あること。
(ホ)介護休業予定開始日から起算して93日を超えて引続き雇用される、またはその見込みがあること。
(へ)上記(ホ)の93日を超え1年の期間に雇用期間の満了、かつ更新不可が確定していないこと。

尚、育児休業、介護休業についての休業中の金銭支給については、会社の規定、事業場における就業規則などで、その支給について規定があれば、その規定に基づいて給付がありますが、通常は会社からの休業給付の義務はありません。
ただし、育児・介護休業は「雇用保険」によって給付が定められていますので、その規定要件を満たせば、会社や事業主に申出によって給付が実現します。

それらの給付条件や給付金額について、また、介護休業が規定する対象となる家族の範囲などについては、ここを参考にして下さい。(当ブログ0107→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20120315
厚生労働省、育児・介護休業法→http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/07/tp0701-1.html
★賃金計算の概要(給与計算)→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130819
★当ブログ0231免責事項をお読み下さい。→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130102