0299 所得税102 給与所得7 非課税となる場合の概要

前回のでは通勤に関する交通費や、仕事中で会社から提供される食事についての非課税条件でした。
この所得税の中、給与所得に該当する会社からの様々な提供「経済的利益」に関しては、細かく条件が設けられていて、場合によっては課税、非課税の判定は困難な場合があります。

しかし、考え方としては「常識的な範囲」であれば非課税であることを前提としています。
この「常識的」を意味する条件を幾つかあげてみると、以下のようなことがその制約条件として考えられます。

●現金の支給ではないか。
会社からの提供物が、換金性の低い現物支給であることが非課税対象を満たす、最も有力な条件と言えます。通勤手当などは現金支給が殆どですが、例外的と言えます。

●個人的な供与ではないか。
会社からの支給、手当などは従業員別に様々な手当があります。しかし、これは原則課税対象となっていますので給与所得に該当しますが、給与所得としての経済的利益は役員や従業員の立場を問わず、一定のルールに従って全員が対象で平等である供与、例えば、同じ作業場であれば同質の作業着をそこに従事する者全員が提供される。そのような意味となり、個別に格差をつけたり、特定の者だけを優遇する供与は課税される可能性が高まります。

●その金額が社会通念上、妥当といえる金額であるか。
会社から役員や従業員に提供する物やサービスには、その物の価額を比較できる市場価格や実勢価格があります。また、税務署では、その個別の会社の事情を優先するのではなく、同業種や同規模において凡そ適当といえる提供内容や相当金額を知っていますので、それらと比較して高額であれば課税される可能性が出てきます。


これら上記3つのことが、会社からの提供が給与に該当するのか、非課税となるのか大雑把な判断材料で、ひとことで言えば「やりすぎ」になってないか?です。その判定基準として様々な規定を所得税法人税基本通達などで記されています。

ここでもう一度、課税の原則を考えると、課税根拠は「資産の増加」でした。資産が増加すると何かしら課税されると考えて差支えありません。その上で、担税力の高低を配慮して政策的な控除を設けています。高額な収入の者、低所得者、夫婦共稼ぎ、独身者、母子家庭、障害者、様々な状況によって課税の調整を行います。

また、サラリーマンや事業主のように働いて得た収入と、贈与や相続のように関係性によって得られる資産の増加に対する課税は、労働によって得られる資産の増加より高率な課税を設けています。

事業での収益が「収入−費用経費」であるように、サラリーマンの収入にも一定の必要経費が給与所得控除として設けられています。この会社から提供される現物支給等の経済的利益は、その性質からすると必要経費としての非課税扱いで、食事や制服の提供、通勤費や転勤による引越し費用、資格の取得、社員旅行、リクレーション費用などから経費を主として配慮していることが伺えます。

★賃金計算の概要(給与計算)→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130819
国税庁、特殊な給与→http://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/gensen32.htm
国税庁、給与所得控除→http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1410.htm
国税庁、給与所得となるもの→http://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2508.htm
★当ブログ0231免責事項をお読み下さい。→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130102

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★ブックガイド→http://d.hatena.ne.jp/sotton+book/20130716/1373956178