0332 所得税135 所得控除11 配偶者控除と配偶者特別控除

配偶者控除
サラリーマンやパート社員、もしくはアルバイトなどの給与所得者の場合、納税者本人に控除対象配偶者があるとき「配偶者控除」が適用されます。

通常は、年末調整のときに会社から従業員に「給与所得者の扶養控除等異動申告書」と「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」の2枚が手渡され、扶養控除等異動申告書は次年度の源泉徴収税額表で適用する欄を定めることに必要となります。
この手続きによって源泉徴収、あるいは年末調整によって所得控除等を確認して再計算し、過不足を確定します。
控除対象配偶者の要件は合計所得額が38万円以下であること、配偶者とは民法上の配偶者で生計を共にしている者、青色事業専従者と白色事業専従者の対象外とされています。所得税での基礎控除が38万円ですから、課税上の所得が事実上0円ということになります。

 合計所得額とは、所得税で区分されている10種類の所得を各種の計算規定に従って計算された後、そこから所得控除があり、控除して残った金額に再びそれぞれの所得に応じた税率を乗じて税額を計算します。つまり、税率をかける前の段階で所得控除をさしひくのですが、控除には順序があります。所得税の中の総合課税とよばれるものを合算した所得を「総所得金額」と言い、まずそこから控除を行い、次に分離課税(それぞれ適用税率が異なるので合算できない)とされる所得を規定の順序に従って控除します。「合計所得金額」は所得控除範囲が、総所得金額と分離課税とを合わせたときの金額です。

一般的には、夫がサラリーマンで奥さんがパート等に働きに出て、勤め先から給与を貰い、交通費などの非課税分を差引いた年間給与額が103万円以下であれば、夫側の所得で配偶者控除38万円が適用されます。この時の103万円も課税上の所得は0円となります。
妻の給与が103万円以下・・・・「103万円−給与所得控除65万円−基礎控除38万円」
であれば夫側の給与は配偶者控除が適用され38万円の控除が成されます。ただし、妻の所得が給与所得のみの場合の計算です。

また、年齢が70歳以上で上記の要件を満たす所得があった場合には「老人控除対象配偶者」として控除額が48万円となります。

上記とは別に、配偶者の収入が公的年金などの雑所得だけであった場合、65歳以上であれば収入が158万円以下、65歳未満については収入が108万円以下であれば、配偶者控除が適用されます。

配偶者特別控除
配偶者控除は前述したとおり、通常は年末調整のときに提出する「扶養控除等異動申告書」によって源泉徴収時に控除されています。

配偶者特別控除の場合は、年末調整のときに提出する「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」によって課税関係を精算されます。
一般的な話しで説明すると、前述したサラリーマンの妻の収入が103万円を1円でもこえれば夫側の所得計算で配偶者控除の38万円がなくなってしまいます。これではあまりに不合理なので、段階的に控除額を定めたものです。

妻の給与と夫の所得控除の関係は以下のようになります。(給与には交通費等の非課税扱いとなる給与は含みません)
<妻の給与>         <夫側に適用される配偶者特別控除の額>
・103万円超 〜 105万円未満 ・・・・・・・・38万円
・105万円  〜 110万円未満 ・・・・・・・・36万円
・110万円  〜 115万円未満 ・・・・・・・・31万円
・115万円  〜 120万円未満 ・・・・・・・・26万円
・120万円  〜 125万円未満 ・・・・・・・・21万円
・125万円  〜 130万円未満 ・・・・・・・・16万円
・130万円  〜 135万円未満 ・・・・・・・・11万円
・135万円  〜 140万円未満 ・・・・・・・・ 6万円
・140万円  〜 141万円未満 ・・・・・・・・ 3万円

妻の給与が年間141万円以上になると、夫側の所得控除に「配偶者控除」「配偶者特別控除」とも適用がなくなります。


国税庁配偶者控除http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1191.htm
国税庁配偶者特別控除https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1195.htm
★賃金計算の概要(給与計算)→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130819
源泉徴収税額→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20131023
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