0336 所得税139 給与所得31 給与計算と所得税

給与所得はサラリーマンやパート、アルバイトなど、勤め先から給料を貰う人の収入で、労働人口の8割以上が該当します。

会社が従業員に給料を支払う場合、会社側が勝手気ままにルールを設定して、従業員を扱い賃金を支給することは許されません。

従業員の労働に関する扱い、賃金に関する扱いは労働基準法などで規定されています。また、給料からは社会保険料と呼ばれる健康保険や厚生年金等の保険料が天引きされ、これらの計算にも規定があります。

毎月もらう給料とは現金支給だけのことを言うのだろうか?給与明細に載っているものだけが給料なのだろうか?例えば、会社から支給された作業着は無料なので給与明細にも載らない。なので「給料ではない」、そのような理屈になっているのか。会社からすれば作業着に費用が発生し、その費用の消費は使用している従業員本人が負担すべき、という考え方も正論であります。その場合、現金ではないが形を変えた給料とも理解できます。このように会社が従業員に与える「経済的利益」は社員旅行にしても、商品の割引にしても、どの程度が給与に該当しないのか、そう言った問題も規定されています。

そして給与は源泉徴収として所得税が給料から天引きされています。所得税全体からみれば、この源泉徴収制度に対応する所得は特殊な制度とも言えますが、源泉徴収は自営業を営む方以外は、殆どの人が該当する制度で、国の税金徴収の多くを担っています。
給与計算では次のような順序になっています。
1、)基本給はもちろん、交通費や時間外労働など様々な手当を含めた「総支給額」
2、)課税対象とならない支給額、つまり非課税扱いの支給を差引きます。主に交通費。
3、)社会保険料などの「法定控除」を差引きます。
4、)給与明細上の「課税対象額」=上記の「1−2−3」
5、)源泉徴収税額表の該当する欄から、課税対象額に対応する税額を求め、差引きます。給与明細には「源泉徴収額」とか「所得税」とかの名目になっています。
6、)住民税が差引かれます。
7、)手取り額=上記の「4−5−6」
8、)賞与についても上記と同様です。
9、)年末調整で所得税の精算を行い、過不足金が給料から返金もしくは天引きされます。
これで一連の大雑把な給与計算は完了ですが、細かい判定や規則、所得税の仕組み等については「ビジネスていレベル研究所」、過去のブログ(新しく改編している項もあります)を参考にして下さい。

●法律や規則など
基本給である「賃金計算」には、様々なルールが「労働基準法」によって定められています。また、休憩や休日なども同様に規定されています。
この労働基準法は使用者が労働者に対して、必ず守らなければならない「最低限のルール」とされ、労働者保護を目的としていますが、実際にこれらのルールを定めるには事業場単位で、使用者と労働者との話合い、約束によって書面で定めてゆきます。
これらルールの策定には幾つかの異なる約束事が出てきますが、使用者が「誰」と「どのような内容」について約束をしたのか、で分かれてきます。
(1)労使協定 → http://d.hatena.ne.jp/sotton+column/20130824/1377343602
(2)三六協定 → 上記(1)労使協定を参照
(3)労働協約 → http://d.hatena.ne.jp/sotton+column/20130802/1375405181
(4)労働協定 → 労働協定は労働組合のない場合で、協約は労働組合が対象となります。上記(3)を参照にして下さい。
(5)就業規則 → http://d.hatena.ne.jp/sotton+column/20130708/1373245295
(6)労働契約 → http://d.hatena.ne.jp/sotton+column/20130826/1377478747

●休日の扱い、賃金などの計算規定
前述した、労使協定や就業規則などに定められている条件に従って賃金の計算を行います。
(7)休憩、休日、遅刻、早退      → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130825
(8)有給休暇             → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130829
(9)産前産後休業、育児休業、介護休業など → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130901
(10)労働時間に関する規定        → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130903
(11)一ヶ月単位の変形労働時間      → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130907
(12)フレックスタイム          → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130911
(13)一年単位の変形労働時間       → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130915
(14)一週間単位の非定型的変形労働時間 → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130919
(15)みなし労働時間           → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130925
(16)割増賃金              → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20131001

経済的利益
前述した「手当」、あるいは手当と言う項目でなくとも、会社や事業主から得たものが、税法上の経済的利益にあたり給与所得として判定される可能性があるもの。または、非課税の扱いとなるもの。
(17)交通費、食事代など     → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130711
(18)現物支給、資格取得費、他  → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130717
(19)旅費(転勤等で)      → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130719
(20)福利厚生          → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130721
(21)貸付金           → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130723
(22)社宅、寮など        → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130725
(23)発明、表彰など       → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130727
(24)使用者が支払う保険料    → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130803
(25)使用者が支払う損害保険料  → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130805
(26)ストックオプション     → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130811

●控除項目(法定控除)
前述したものが、賃金や手当などの給与における加算項目にあたり、次に社会保険料や税金などの減算項目となり、下記のようなものがあります。
(27)健康保険料     → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20120201
(28)介護保険料     → 上記、健康保険料を参考にして下さい。
(29)厚生年金保険料   → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20120427
(30)雇用保険料     → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20120301
(31)源泉徴収税額(所得税)→ http://d.hatena.ne.jp/sotton/20131023
(32)住民税 → http://d.hatena.ne.jp/sotton/20131009

●所得控除
これは、給与所得では年末調整のときに「扶養控除等異動申告書」及び「保険料控除兼配偶者特別控除申請書」の提出によって、毎月の給料から源泉徴収によって天引きされるもの、年末調整のときに所得税の年額精算時に控除されるものとがあります。所得税の計算上、どの時点で控除されるかを、源泉徴収の場合は<源>、年末調整の場合は<年>、確定申告が必要な場合は<確>で表し、ケースによって控除段階が異なる可能性があるものは複数を記しています。
(33)雑損控除<確>           →http://d.hatena.ne.jp/sotton/20131027
(34)医療費控除<確>          →http://d.hatena.ne.jp/sotton/20131107
(35)社会保険料<源><年>       →http://d.hatena.ne.jp/sotton/20131109
(36)小規模企業共済等<年>       →http://d.hatena.ne.jp/sotton/20131111
(37)生命保険料<年>          →http://d.hatena.ne.jp/sotton/20131121
(38)地震保険料<年>          →http://d.hatena.ne.jp/sotton/20131125
(39)寄附金控除<確>          →http://d.hatena.ne.jp/sotton/20131129
(40)障害者控除<源><年>       →http://d.hatena.ne.jp/sotton/20131201
(41)寡婦寡夫)控除<源><年>    →http://d.hatena.ne.jp/sotton/20131203
(42)勤労学生控除<源><年>      →http://d.hatena.ne.jp/sotton/20131209
(43)配偶者控除<源><年>       →http://d.hatena.ne.jp/sotton/20131215
(44)扶養控除<源><年>        →http://d.hatena.ne.jp/sotton/20131221
(45)配偶者特別控除<年>        →http://d.hatena.ne.jp/sotton/20131215
(46)基礎控除<源><年>・・・・・・・・・全ての納税者が対象、38万円の控除。

● 給与、賃金計算について
(47)賃金計算の概要           →http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130819

● 所得税、所得控除の計算
(48)所得控除の計算手順         →http://d.hatena.ne.jp/sotton/20131223
(49)年末調整              →http://d.hatena.ne.jp/sotton/20131227

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