0352 所得税154 配当控除

利子所得は金融機関にお金を預けて、その利息が収入とされそのまま所得となります。配当の場合は投資を経て、企業への「出資」にあたり、その企業が収益を上げ、生み出した利益から支払われるものが配当にあたり、利子との決定的な違いは元本保証がないところにあります。

投資信託などでは過去に元本割れをしていない金融商品もあり、また実質的には元本の補填が行われるようなことがあっても、理論上で元本割れがある場合は配当に属することになります。
配当所得では、出資された資金が企業によって活用され利益を生み出すと、いったん法人税として課税され、その後に配当とされ出資者に利益還元されます。配当を受取った出資者は再び所得税の「配当所得」として課税されます。この同質の出資金が法人税所得税と二つの課税対象となる二重課税の考えから、配当所得には税額控除が設けられています。
この配当控除を受ける場合は「総合課税」の選択が必要です。源泉分離、申告分離課税を選択した場合には適用されません。

また控除額は、一般的には配当所得の10%相当が控除額になりますが、配当を受ける出資に対する負債利子相当額を差引いた額の10%で、損益通算前の金額です。尚、配当控除の控除額算出については、正確には配当の性質によって異なり「大蔵財務協会発行の図解所得税」では10%相当額以外に14の異な計算式があります。

配当控除の対象となる配当所得は次のようになります。
・剰余金の配当(資本剰余金の減少に伴う配当、分割型分割によるものを除く、これは実質的に出資金の払戻しといった性質のものです)
・利益の配当(上記と同様に出資金の払戻しである性質のものは除外されます)
・剰余金の分配。
・証券投資信託の収益の分配。
・一般外貨建等証券投資信託の収益の分配。(特定外貨建等証券投資信託の収益の分配は除外)

以上、大きくは上記に該当するもので基金利息や公社債等運用投資信託の配当は実質的に利子にあたり除外されています。また、他にも対象とならないものがありますので、実際に配当控除を受けようと考える場合、証券会社や税務署、あるいは税理士などの専門家の方にご確認下さい。

配当所得に関する説明は下記を参考にして下さい
★配当所得の範囲→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20121003
★通常の配当所得→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20121015
★資本と剰余金→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20121013
国税庁、配当控除→http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1250.htm
国税庁、平成25年分、確定申告のコーナー→http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tokushu/yoshiki.htm
★当ブログ0231免責事項をお読み下さい。→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130102