0404 キャリア、男女の格差

毎日のように仕事をしていて、男性なら20歳前後から社会に出て60歳〜70歳くらいまで、ほぼ一生に及ぶ長い時間を「仕事」と共にしなくてはなりません。
女性の場合は、仕事を「一生もの」という考えや、そのような感覚はないかも知れません。しかし、結婚して夫が働いて、妻が「専業主婦」として家庭が成立していたのは昭和時代のことで、現在では夫婦の7割が「共稼ぎ」で今後はますます増加傾向にあります。

先日、ビジネス系サイトの記事でアメリカの中流所得者層の日常がどれほど余裕のないものかを物語る内容が掲載されていました。そこには、「郊外の住宅」「夫婦各一台の自家用車」「子どもの教育」そして「家族旅行」、どの国でも家庭を築けば誰もが手に入れたいと想うもの。けれども、現実にそれら「普通の夢」を叶えるには、容易いことではありません。夫婦ともに有名大学を卒業し、夫婦共に正社員として勤務し、朝6時に起床して朝食を作り、育児をするか、もしくは子ども達を送り出し、渋滞の道を職場まで運転し、仕事では激務をこなし、その間の育児や教育にはベビーシッターや家庭教師を雇い、夕食の用意や家事、洗濯はハウスキーパーに任せ、帰宅すると食事の後、子ども達を寝かしつけ、明日の仕事の資料に目を通し、また次の日常が始まります。もちろん夫(男性)の方も育児もしますし、必要ならば料理もでき、協力的です。ただ、ベビーシッターや家庭教師、ハウスキーパーなどの費用を考えると、いくら稼いでも残らないと言います。また、早い人だと産後10日〜14日程度で仕事に復帰すると言われています。

彼女たちは、郊外の戸建住宅を割安なアパートメントにして、時間に余裕を作って自ら家事を行い、子ども達の教育もほどほど、家族旅行も諦めれば、こんなに忙しい毎日をこなす必要がないことを知っています。憧れた生活水準を壊したくない、そういった思いもあるのでしょうが、彼女が一番失いたくないものは自分自身の「キャリア」だと言い切ります。これまで自分が努力して獲得してきた職業や職場での地位、そして更なるキャリアのステップアップを考えると、育児や家事を考え専業主婦を選択することで構築したはずのキャリアが途切れ、たった数年の離脱で元通りにならないことを恐れているのです。

彼女のような「仕事観」がアメリカでは、「極希」というわけではありません。ただし、彼女のようにビジョンを持ってチャレンジする者は「高学歴」である傾向が強いと言えます。
しかし、日本の女性からすれば、彼女のようなビジネス・ウーマンの仕事観を奇異に感じる方も多いでしょう。「そんなに仕事中心の人生なんて」「もっとのんびり自由にしていたい」「育児や家庭の時間を充実させたい」、そう考える方が自然かも知れません。

世界的な流れとして女性の社会進出は、ただ社会人として働くだけではなく、ビジョンや出世、地位を求めて男性と変わらぬ待遇を手に入れ、女性の社長はもちろん、大企業のCEO、例えばアメリカではデュポン社、クラフトフーズGMなども女性で、韓国やドイツ、南米では3カ国の大統領が女性です。世界中で多くの女性が、かつては男性のみが支配していた役職を手に入れています。

これは極端な例であれ、仕事上の男女間の格差は解消される傾向は、今後さらに強まることが予測されますが、大企業と中小、零細企業の格差、あるいは職業別による格差は広がりをみせ、どのような会社に就職するのか、どのような職業を目指すのかによって収入差は大きく開き、このような社会環境に伴い、男性女性の人生観や価値館も変化し、結婚や出産、子育てや家庭での役割分担も収入や時間的な差がなくなるに連れて、平等な分担が多くなってきています。

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