0406 今後の労働市場

転職や再就職の場合、近所のスーパーにアルバイトやパートに出るくらいなら、ある程度の経験や採用条件の同意くらいで、採用されるでしょう。そう困難ではありません。しかし、正社員としての転職や再就職、規模の大きな会社や上場企業などを希望する場合、甘い考えは禁物です。もちろん業種やその業界の景気によっても異なりますが、小規模、零細企業の採用レベルとは格段に差異があることを想定しなければなりません。

中規模、大企業では「労働市場」の渦中にあります。業績の良い企業や、労働条件の良い会社、交通や社内環境が優れている職場というのは、現在ではグローバル企業やそれに関連する企業と言って間違いないでしょう。

グローバル企業によって世界規模で経済が牽引され、その影響下にある労働市場では、インドや中国はもちろん、シンガポールベトナム、タイ、インドネシア等の優秀な人材が安く確保される傾向が強まっています。彼らは各国の日本でいう東大や京大レベルで、しかも語学は日本人より優れ、その上日本企業の就職を目指して勉強しています。そして彼らの初任給は日本人より安価で、仕事にも意欲的です。

現在、このような労働市場でのグローバル化も急速に拡大し、これによって条件の良い、業績のよい企業への人材採用は、より高いレベルでの競争を余儀なくされ、僅か数人の採用枠に何百人という応募がくる現象も日常化しています。

このように書けば、「エリートの話」で私の転職には関係ない、と考える方も多いかも知れません。日本の学歴社会は、正確に言うと「学校歴社会」ですが、海外ではもっと強烈に「学校歴社会」で、優良企業の人材採用は前提として一流大学があり、その上の大学院で修士課程(Master)、博士課程(Doctor)での内容を対象として採用します。つまり、過去のエリート達は、今では「準エリート」のレベルとなり、かつ発展途上国の大学進学率は今後、急激に増加してゆくため、世界中で比較的賃金の安いエリートが、量産されることが予測されます。

このような変化を受ける労働市場では、業績や労働条件のよい企業に就職希望が集中し、優秀な人材を確保できるかどうかで企業レベルの格差、労働者側ではどの企業に就職できるかで収入の格差がより拡大してゆきます。グローバル化によって長期的な観点では、必ず労働市場にも見えない影響が現れてくるのです。

また、企業自体が雇用する労働者に対して、その必要条件によってレベルを分けています。
正社員等の正規雇用、アルバイトや臨時、一時的、あるいは一定の期間を設けた雇用、いわゆる派遣社員などの非正規雇用。今日では契約社員等の、企業の直接雇用であっても非正規扱いとなる従業員が一定の割合で構成されています。
一方で、正社員にしてもエリート、超エリートと呼ばれるような、例えば経営幹部の養成、新技術開発やシステム管理、構築などの専門性の高いスキルが要求される、あるいは既にその実績を持つような者をヘッドハンティングして雇用した場合には、一般社員に比べて報酬は格段に高い。

企業はこのように人材投資に関しても、将来を見据えて戦略的に重要である位置づけの人材には高額な投資をし、代替えが容易である職種の人材に関しては、収益の高低による調整が効くように、期間的かつ低報酬で済む人材を確保する、このような雇用が顕著になってきています。

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