0419 転職のスキル、準備編16 コミュニケーション報酬

さて、前回まで勤めている会社を辞める理由、その辞めたい原因が会社側にある、そう感じた場合、転職によって次なる新しい仕事、職場において、同じ理由で継続が困難にならないように自覚しておく必要から、辞める理由(不満の限定)を特定する作業です。
その理由のサンプルとして0414〜0418を参考にして下さい。
★サンプル理由の解説については0413にあります。→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20140501

この「不満」の確認は、下部へ進むほどフレームワークが大きくなりますが、視点の規模が大きくなる程、正確には不満でなく「不安」となります。しかし、その将来性の不安についても充分考慮するに値するので、上記の項目で不安と感じる箇所があれば抜き出して下さい。

さて、高待遇の仕事とは、具体的には休日も多く、労働時間は短く、時間外労働では割増賃金がきちっと支払われ、ボーナスもあれば退職金制度もある。産前産後休暇や育児休暇も取りやすく、福利厚生も充実して、事業場の設備やデザインも優れている。おまけに交通の便が良い立地。

この「高待遇」とは「高報酬」と、同義語として扱うことができます。給料が多いと言う事は手当や割増賃金も多く、また休日や有給休暇、特別休暇も多く、退職金や企業年金まである。立地がよければそれだけ土地価額は高額で、その土地に係る固定資産税も高い、設備やデザインが良いというのもコストが係る話です。
これらは全て従業員が働いて稼いだ利益から賄っています。しかも、これらの高額な費用を要する待遇では、従業員はかなり有能で、生み出す付加価値は高い、つまり働いている一人ひとりが高収益を獲得しなければ維持できません。

従業員が、その待遇の良い企業で働き、長期的に働いて得た総収入額(退職金や企業年金額を含む)を延労働時間で割ると、時間給が算出されます。この時間あたりの報酬額が高いほど「高待遇」となります。 
就職する企業を選定するとき、この「待遇」の善し悪し、あるいはどれくらい高待遇な地位までを期待できるか?が一つの健全な目安になります。
待遇とは、このように1時間あたりの報酬が高いほど「高待遇」であることを指しますが、この報酬の中には「コミュニケーション」という重要な要素が欠落しています。

コミュニケーションそのものは、多くの機能とリスクを含んだ能力ですが、目的とされる根本は「信頼性を高める」ことにあります。(このコミュニケーション・スキルについては、後の項で簡単に触れます)
報酬の要素を分解すると、たった二つしかありません。一つは前述した、金銭に換算できる「待遇」そのもので、もう一つは「コミュニケーション報酬」と呼ばれるものです。

上場企業や大企業に勤めていて休日も多く、ちゃんと残業代もあってボーナスだって出る。退職金や企業年金も制度化され、報酬として受取ることができます。これらの内容と比較して、中小企業、零細企業では業績が悪いと忽ちボーナスがなくなり、退職金が出るどころか、それまで会社が存在しているかどうかも怪しい。なんと高待遇であることか。

しかし、悲しいことに、この待遇の良いとされる大企業に勤める社員や管理職が、健全で充実した毎日を送り、やる気を持って業務に取組んでいるか?と、問われると俯いて無口になります。

この元気もなく、モチベーションも低く、協力的でない現場の問題の一つにコミュニケーション報酬の低さが挙げられます。コミュニケーション報酬と「自己裁量権(自分で自由に意思決定できる範囲)」とは密接な関係にありますが、階層的な組織で、縦割りの命令系統、マニュアル優先主義、消極的な権限委譲であるような企業文化では、コミュニケーション報酬は、必然的に低くなります。

コミュニケーション報酬とは、社内で好く喋り、ワイワイがやがや賑わって仕事をすることではありません。簡単に言えば「日常的な仕事の中でも経営に参画している実感があること」が近いと考えています。会社の経営に参加している業務環境によって、自己の主張やプランが経営そのものに反映され、金銭的な報酬以外にやる気や将来性の責任、モチベーションアップなどに繋がり、仕事の充実度が維持されます。

これは、具体的には少数精鋭のベンチャー企業、仲間同士で立ち上げ開業したショップや飲食店経営等に多く見受けられます。経営の在り方としては、社員の地位を水平的に組織化して、自己裁量権や権限も必要に応じて委譲する形態を取ります。

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