0456 転職のスキル、準備編53 コミュニケーションスキル1

よく会社の募集要項や面接などで「コミュニケーション・スキル」を問われることがありますが、一体これはどのような能力を期待されているのでしょう。

コミュニケーションとは何でしょうか?広義の意味では、他者への意思疎通を意味するので、誰かが何かを伝えること全てとなります。広告がコミュニケーションの一部であるなら企業は不特定多数の方にメッセージを投げかけています。

個人的なコミュニケーションではビジネスシーンと私生活上での家族や友人関係、あるいはご近所付き合い等に区分けすることができますが、どちらにしても意味するところは「信頼関係を築く」ことにあります。企業は顧客と信頼関係を築くことで継続した収益を確保することに結びつき、家族や友人にしても同様の意味を持ちます。従って、一般的なコミュニケーションスキルと言う意味は、ビジネス上では「取引先や顧客、周囲の協力者に対して信頼関係を築くことができる能力」を問うています。

しかし、このコミュニケーションスキルとは個人が持つ能力の全てを意味することになります。
例えば、医者や弁護士との伝達では、専門用語や専門知識がないと、充分な理解ができません。建築や電子部品、アプリ等の技術者にしても同様です。海外にいけば、その国の公用語ができないと現地の人と話しが通じず、海外までいかずとも地方では方言なども場面によっては必要かも知れません。また、表現を豊かに、あるいは正確に伝えるため、数多くの語彙、類語を知っておくことも大切です。

これらは様々なコミュニケーションの場面で想定され、そのために獲得すべき知識です。コミュニケーションスキルは主にOUTPUTの能力となります。例えば、先の医師や弁護士が専門知識のない患者やクライアントに説明する場面では、かみ砕いた理解し易い表現が必要となりますし、細かい部分では適切な補足も重要となります。また、子どもが相手であれば、どの程度の理解が可能であるか?の想定して内容を組み立てることも必然となってきます。相手が不自由な方であれば手話や筆談と様々なスキルが求められるのです。

また、伝えたい内容に対しての表現以外にも、実際のコミュニケーションでは、視線や表情、声のトーンで察知します。人間とは優れたもので、この視線や表情、声のトーン、仕草や身振り、それから身なりの清潔感等で、話しの重要度はもちろん、相手の心情や状況、言動の予想までできます。
電子メールでは、そのような声や表情などを伝えることはできませんが、できない分を文章表現や送るタイミング、直ぐ送った方が良いのか、休憩時間に送った方が効果があるのか、寝る前や朝などの方が無難であるのか等で、どの程度気持ちが付加されるか、となります。

コミュニケーションスキルの重要な要素として、前述した表現の工夫はもちろん、伝える相手の感情を把握して、適切な感情を自己コントロールする必要性もでてきます。相手の備わっている知識、それから温度差、これは自分が熱意をもって話しても、相手は冷め切っているかも知れません。相手が感情的になっていれば平静に、自分が感情的であればそれはリスクになって伝わらない可能性もあるのです。

先の企業の求人での面接もそうですが、営業や接客などのコミュニケーションでは、まず身なりの清潔感や、言葉使いや配慮、気付きや親切さは、教科書を参考にマニュアル通りこなしてゆけば、短期間でもある程度は成果があるかも知れません。しかし、コミュニケーションが会社の事務的内容を伝達するだけのものであれば、全てはマニュアルがあれば誰もが平等に獲得できるスキルとなるはずです。

この「コミュニケーション」の本質こそ、EQ→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20140709が提唱する「その場面での適切な心の在り方」がいかに大切であるのかを知らされます。ただし、このEQと呼ばれるものは短期間で身につくものではありません。個人差もあり日頃から意識してトレーニングを繰返し、そうして少しずつ改善されてゆくものです。

コミュニケーションの機能を整理すると、主に3つで「親和、社交」「伝達」「説得」です。
尚、コミュニケーション・スキルの概要は→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20140603

★総合案内ビジネスていレベル研究所http://d.hatena.ne.jp/sotton+sogou/