0180 企業年金8 確定拠出年金3

確定拠出年金は「企業型年金」と「個人型年金」(個人年金ではありません)の2つの種類があります。

● 企業型年金
(1) 企業型年金を行うのは事業主で、労使合意の下、企業型年金の規約を作成し、厚生労働大臣の承認を得て実施にいたります。
(2) 加入対象者はその企業の従業員となります。
(3) 拠出限度額(掛金の限度額)は、他の企業年金を行っていない場合は51,000円で、他の企業年金も実施している場合は、その半額を限度としています。
(4) 掛金の支払者は、一般的には事業主が拠出しますが、労使合意で規約に定めれば加入者である従業員の拠出も可能です。ただしこの場合、企業負担の掛金と授業員の自己負担の合計が上記の限度額を超えないように設定が必要で、かつ従業員の掛金の支払いは会社を通じて行う(いわゆる天引き)などの条件があります。
確定拠出年金企業型の仕組みは以下のようになります。

★ 事業主は運営管理機関を選択して、管理業務を委託します。
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★ 運営管理機関(ほとんどは銀行です)は、運用における投資商品の選定や提示、説明などを加入者に行い、運用指図やその記録を保存、それらの意思決定を資産管理機関に通知します。また給付においての裁定も行います。
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★ 資産管理機関(ほとんどは信託銀行です)は、拠出された積立金(掛金の累積)、個人別の年金資産の保全と管理、商品の購入や運用指図を商品提供機関に通知します。また、給付金の支払い等を行います。
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★商品提供機関(銀行や生保、損保、証券会社)は、投資対象となる金融商品を提供し、運用します。ほとんどは投資信託と呼ばれる商品です。

● 個人型年金
(1) 個人型年金を行うのは、国民年金基金連合会です。
(2) 加入対象者は、自営業者等の方と企業年金がない企業の従業員。
(3) 拠出限度額(掛金)は、自営業の方は68,000円、企業年金がない従業員は月額23,000円です。尚、最低額は5,000円からで1,000円単位です。
(4) 掛金の支払者は、加入者本人です。自営業の方は口座振替で、企業の従業員は会社を経由して口座振替となり、いわゆる天引きとなります。尚、個人型の場合は国民年金納付が前提となりますので、納付が行われていないと個人型年金の実質的な加入ができません。

確定拠出年金個人型の仕組みは、国民年金基金連合会が個人型の規約を作成、加入者の審査、掛金の管理等を行い、企業型と同様、運営管理機関に実質的な業務を委託します。

運営管理機関や資産管理機関、商品提供機関は上記の企業型と同じ役割です。従って、企業型と異なる点は、掛金の支払者が企業か、加入者個人かの違いと、窓口的な管理が事業主であるか、国民年金基金連合会が行うのか、その2点が大きく異なります。

※ 運営管理機関は厚生労働大臣の登録を受けた法人で、現在は198社となっていて、そのほとんどは銀行です。ただし、厚生労働大臣の登録を受ければ、事業主でも運営管理機関となることが可能です。
※ 資産管理機関については、企業型では事業主が、個人型では国民年金基金連合会が契約を行い、その業務を委託します。契約先は信託会社、多くは信託銀行、生命保険会社、損害保険会社、農業協同組合連合会厚生年金基金企業年金基金です。