0181 企業年金9 確定拠出年金4 

確定拠出年金では、加入者自ら運用リスクを負うので、その投資教育が必要となります。

この加入者の投資教育につては、運営主体である企業、もしくは国民年金基金連合会が一定の義務を負います。これは確定拠出年金法22条に定められています。従って運営主体である事業主、国民年金基金連合会は基礎的な投資に関する教育、説明会や資料提供、セミナー等を実施しなくてはなりません。この教育は加入時だけではく、継続して行うことが義務化されています。

●投資教育の内容は以下の通りです。
(1)確定拠出年金の概要、加入資格、限度額や受給方法、転職等の場合など、制度の規定や仕組みについて。
(2)投資対象である金融商品の種類や性質、リターンとリスクについての知識。
(3)リスクの種類、長期運用や分散投資などの資産運用の知識。

事業主もしくは国民年金基金連合会は、上記のような投資教育と同時に、実際に投資する運用商品に対しても、必要な資料の提供を実施しなくてはなりません。

運用商品は、運営管理機関が一定の条件を満たす商品を選定し、加入者に提供します。
その商品は元本保証がある、預貯金や金融債金銭信託や貸付信託、国債や地方債、利率保証型積立生命保険、積立傷害保険等と、元本保証がない一般的な運用商品として、投資信託や変額保険等が用意されています。不動産や先物は対象外となっています。

また、加入者が適切な運用指図が行えるように、商品内容の提示では以下のことが情報提供されます。
★ 預貯金の利率、生命保険の予定利率、その他の証券の収益率や配当などの情報。
★ 損失に関する情報。
★ 商品や運営方法に係る拠出単位やコストの情報。
★ その商品における過去の収益や損失等の運用実績に関する情報。
★ 個人別資産管理に係る持分の計算。
★ 運用商品に係る手数料の提示。
★ 預金保護制度等の保護対象の有無や保護内容の提示。
★ 金融商品販売法で義務付けらている重要事項に関する情報(元本割れのリスク説明)。

尚、運営管理機関は上記のような商品情報の提供と、それらの金融商品の性質が異なるような3つ以上の商品選定を提示する必要があります。加えて、元本保証がある商品を必ず1つ、選定しなくてはなりません。

もう一つは、年金資産の運用、管理につてい最低年1回はその内容を通知しなくてはなりません。各月の拠出額や資産の額、運用商品ごとの持分資産額、手数料等の事務負担額や指図変更の内容などが報告されます。

確定拠出年金では加入者になると運用指図が必要になりますが、「運用指図者」という言葉は、加入していない状況で年金資産の運用指図を行っている者を指します。例えば60歳を過ぎてリタイアした方が、年金受給までの期間、確定拠出年金の資産を持っていれば、運用指図のみが必要となる、そういう状況の者を運用指図者と呼びます。