0248 所得税55 事業所得25 減価償却費、補足

減価償却資産の売却および中古品の購入
減価償却資産は、高額かつ長期的に使用する資産であるため、資産の売却あるいは中古として買入て使用するような場合ができます。
売却の場合は減価償却費としての計上ではなく、譲渡に当たるため、売却益(売却損)は譲渡所得として、事業所得とは別に計算することになります。細かな算出については、ここでは取り上げませんが、減価償却資産の未償却残高と売却金額の差益が譲渡所得に該当します。

また、中古品にあたる減価償却資産については、次のような算出方法を規定しています。
(1) 対象になる減価償却資産が耐用年数限度を超えている場合は、耐用年数の20%にあたる年数で償却します。
(2) 対象になる減価償却資産が耐用年数中途である場合は「耐用年数−経過年数+(経過年数×20%)」で算出します。
上記の計算で、一年に満たない部分は切捨て、耐用年数×20%<2年=2年とされています。つまり耐用年数が141年以下の場合、2年になります。

経過年数については、製造年月や発売日からの年数になります。

国税庁、中古資産の耐用年数→http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5404.htm

●無形減価償却資産
減価償却資産は無形固定資産とよばれるものもあります。特許権や商標権、ソフトウェア等が該当します。残存価額は「0」として償却しますが、方法は有形減価償却資産と同じです。

この「無形減価償却資産」の法定耐用年数表は、なぜか国税庁のホームページからは出てきません。ので、大蔵財務協会発行「平成24年版 図解 所得税」から幾つか抜粋して記しておきます。尚、民間のホームページ、例えば税理士事務所等のホームページでは一部、閲覧できます。

無形減価償却資産の耐用年数→
漁業権   :10年           水利権    : 20年
特許権   : 8年           実用新案権  :  5年
意匠権   : 7年           商標権    : 10年
営業権   : 5年           育成者権(種苗):  8年または10年
ソフトウェア:複写販売用原本3年、その他5年

●修繕費の判定
建物や設備の修繕、あるいは自動車や機械等の修理については、他の資産と同様、10万円未満であれば全額を経費として損金算入できます。10万円以上20万円未満の場合は、一括償却資産として処理します。

「中小企業者の小額減価償却資産」の特例では、平成26年3月末日までに取得した場合に限り30万円未満費用を全額損金算入できます。

修繕費が30万円以上の場合は、修繕費として認められる範囲が問題となります。不動産所得の項でも一部説明しましたが、資産価値を高める、資産の使用可能期間を延長するような費用は資産の増加となり、減価償却資産の扱いとなります。例えば建物の耐震補強などは使用可能期間の延長とみなされます。
それ以外、つまり補修や修理等の意味は現状復帰や維持にかかる費用が該当します。

その他の条件として3年以内に定期的に行う修繕でるか否か、また特例なども幾つかありますので、修繕費の判定については税理士などの専門家や税務署に確認、お問い合わせ下さい。

★当ブログ0219不動産所得に算入できる費用→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20121109
国税庁、資本的支出と修繕費等→http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shotoku/05/07.htm
国税庁、小額の減価償却資産及び一括償却資産→http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shotoku/08/12.htm
国税庁、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例→http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5408.htm
国税庁平成24年版、確定申告の明細書、計算明細書など→http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki02/01.htm
国税庁所得税の申告書等一覧→http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/1557_2.htm
国税庁、耐用年数表→https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/30930/faq/30975/faq_31004.php
●税込、税抜きの判断
一括償却資産では20万円以上であるかどうかが問題となります。こういったケースは金額が手続き上の条件として規定されていますが、通常、税込経理で会計処理を行っている場合は税込価額においての判断となり、税抜経理の場合は税抜価額で判断します。つまり、税込処理の場合は20万円が税込価格で判定します。
また、免税事業者に場合は全てが税込価格で判断します。

★当ブログ0231免責事項をお読み下さい。→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130102

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★上記の書籍のガイドは→http://sotton.hatenablog.com/entry/2013/06/14/230742