0265 所得税70 事業所得40 補足

青色申告決算書の貸借対照表の欄で「有価証券」があります。個人事業の場合で有価証券の資産計上をするようなケースがあるのかどうか?

個人が保有する有価証券は、配当があれば「配当所得」となり、売買いでは「譲渡所得」にあたります。仮に事業用として有価証券を保有した場合でも、結果的にその事業資金は事業主の資金としてコントロールできるので、事業用資産とする必要があるのか?と言う疑問でした。

このことを税務署に問い合わせると、一般的には個人事業主が経営する事業として有価証券を保有しても、一般的には貸借対照表に資産計上しません。しかし、有価証券の購入資金が事業から出したものであれば「有価証券」を資産計上しても、間違いとして処理することも適当ではなく、資産計上を認める場合もあります。

なんとも歯切れの悪い説明をされたのですが、意味するところは青色申告貸借対照表で有価証券を資産計上しても、損益とは直接関係のない科目に当たるので、課税関係に殆ど影響しないので、どちらでも構わない。って感じです。
★当ブログ0238青色申告貸借対照表http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130201

当ブログ0244減価償却費の文中に出てくる「中小企業者」という範囲は次のようになります。
「資本金または出資金の額が1億円以下の法人、もしくは資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人」が該当します。

ここで言う「法人」とは法人税法上の法人なので、法律上の組織形態ではなく、その組織や団体が利益を生み出すかどうかが問われます。なので資本や出資を有しない(殆どは該当しません)団体、任意組合(民法上の組合)であっても営利性が認められれば法人として課税するか可能性があります。

また、上記の「中小企業者」に該当しても、以下の条件を満たす場合には中小企業者の該当から除外されます。つまり、「中小企業者」ではありません。

「資本金または出資金の額が1億円超えの法人、もしくは資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員が1,000人超えの法人」
・・・・・つまり、中小企業者より大きな法人に対して、
(1)発行済株式又は出資の総数又は総額の2分の1以上を所有されている場合。
(2)2以上の大規模法人に発行済株式又は出資の総数又は総額の3分の2以上を所有されている場合。

上記(1)(2)のいずれかを満たす中小企業者は「中小企業者」から除外となり、該当しません。

尚、「中小企業者」は法人税法で上記のように規模を規定していますが、一般的な「中小企業」とは中小企業基本法によるもので、その規模の範囲は次のように定められています。
製造業・建設業・運輸業など: 資本金3億以下、または従業員数300人以下。
卸売業 : 資本金1億円以下、または従業員数100人以下。
小売業 : 資本金5千万円以下、または従業員数50人以下。
サービス業 : 資本金5千万円以下、または従業員数100人以下。
と、なっています。

約5ヶ月に渡り調べて書いてきた「事業所得」はこれで終了です。
次回から「譲渡所得」へと進みます。範囲が広く、ケースによって解説も簡単にはいかないので、極基本的なことに限定して書いてゆきます。譲渡所得の次は給与所得へと予定しています。
今後も引き続き「ビジネスていレベル研究所」をご利用下さい。
★当ブログ0231免責事項をお読み下さい。

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★上記の本の感想は当ブログ0260で読めます→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130406