0318 所得税121 給与所得26 みなし労働時間

みなし労働時間は、実際に働いた時間とは関係なく、予め定めていた労働時間を働いたとみなすことです。
このみなし労働時間の適用は、次の3つの制度が対象となります。

(1)事業場外労働のみなし労働時間制
労働者が労働時間の一部もしくは全部を事業場外で仕事をした場合、原則では所定労働時間分を働いたとみなします。この場合、通常の職場以外の場所で働き、管理監督者の指揮、命令が及ばない状態で、労働時間の確認が困難であることが条件とされています。
所定労働時間を超えて労働が必要となるときは、通常その労働に必要となる時間を働いたこととみなします。
この「通常その労働に必要となる時間」は、法定労働時間を上回る場合、労使協定での定めが必要で、その必要となる労働時間数と有効期間を決めて、管轄の労働基準監督署長への届出をしなければなりません。

(2)専門業務型裁量労働制
労使協定での定め、届出が必要で、その定めた時間がみなし労働時間となります。
この専門業務型裁量労働制に該当する職業は「研究開発業務」「情報処理(分析やシステム設計など)」「新聞や雑誌などのマスコミ(取材や編集)」「デザイナー」「放送局や映画製作のプロデューサーやディレクター」「弁護士」「公認会計士」など他が該当します。

(3)企画業務型裁量労働制
企画業務型とは「事業計画」や「営業計画」のことで、平成16年までは本社もしくは本店と称する経営の中核をなす業務においての企画や計画を指し、以降は本店以外の支店レベルでも可能となりました。また、この企画業務型は、対象とする範囲が限定され、要件を満たす必要があります。

要件は細かく設定されていますが、大雑把に言えば、企業の経営そのものに影響するような規模の企画立案、分析および調査を対象としています。
この企画業務型裁量労働制は労使協定で定めることができません。
手続きにおいては労使委員会が設置された事業場で、委員の5分の4以上による多数議決が必要とされ、管轄の労働基準監督署長への届出で効力が発生します。また、実際には対象とする労働者の同意が必要であること、労働基準監督署長へは定期的な報告義務も生じます。

上記のみなし労働時間で休日や時間外労働の扱いについては、労働基準法の原則規定と同様です。休日では1週間で1日、4週で4日以上、時間外労働については1日8時間を超えた部分の時間、週間で40時間を超えた分が時間外労働に該当します。

※東京労働局、事業場外労働に関するみなし労働時間制→
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/tokyo-roudoukyoku/roudou/jikan/pamphlet/2jigyoujyou.pdf
※東京労働局、専門業務型裁量労働制の適正な導入のために→
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/tokyo-roudoukyoku/roudou/jikan/pamphlet/4special2.pdf
※東京労働局、企画業務型裁量労働制の適正な導入のために→
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/tokyo-roudoukyoku/jikanka/201221613571.pdf
★賃金計算の概要(給与計算)→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130819
★当ブログ0231免責事項をお読み下さい。→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130102