0243 所得税50 事業所得20 消費税の計算2

さて、前回に続き消費税額の計算で、青色申告決算書の損益計算書の科目「租税公課」の算出について話を戻しましょう。
青色申告決算書の損益計算書は当ブログ0236を参考にして下さい。→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130123

※また、内容は税務署から発行されている「平成23年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」を参考にしています。このなかに損益計算書貸借対照表の計算や記入の仕方等が説明されています。→http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2011/pdf/33.pdf
平成24年分、青色申告決算書(一般用)の書き方→http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2012/pdf/33.pdf

租税公課に算入できる税金は、前回の繰返しになりますが、「固定資産税」「不動産取得税」「地価税」「特別土地保有税」「事業税」「事業所税」「自動車税」「自動車取得税」「自動車重量税」「登録免許税」「印紙税」「鉱区税」「鉱産税」等と、税込経理方式での「消費税」です。
所得税」「住民税」「相続税」のほか、加算税や延滞税、地方税における加算金、延滞金などは租税公課として費用算入はできません。

税抜き経理方式で計算されている場合、消費税以外の租税公課は費用計上しますが、消費税の計算は、勘定科目で「仮受消費税−仮払消費税」の差額となります。この税抜計算では、消費税は損益計算に関わる計算とは独立して算出されることになり、つまり、消費税が課せられる以前、消費税がなかった時の計算と同様になるため、租税公課には損金算入できません。

当ブログ0236を参考に損益計算書の科目で、消費税の課税対象となる取引の判定、(1)以外は費用科目で支払消費税として算出する科目と除外する科目を確認してゆきます。
○○=全て算入。○×=多くは算入で一部除外あり。××=計算から除外。×○=多くは計算から除外で一部算入あり。

(1)売上     →○× 消費税の非課税項目を除外します。
(2)期首商品棚卸高→×× 計算では前期に含まれているため、今期の納付消費税算出から除外します。つまり、計算しません。無視していい。
(3)仕入金額   →○× 商品券等の非課税商品の仕入額を除外。
(4)関係なし。
(5)期末商品棚卸高→×× 今期の売れ残り、つまり上記(3)の仕入金額の中の一部にあたるため、算出からは除外します。
(6)(7)関係なし。
(8)租税公課   →○× 前述した租税公課の損金算入される税金費用と、税込経理方式の消費税額
(9)荷造運賃   →○× 国際運賃や国際通信などは除外
(10)水道高熱費  →○○ 全て算入します。
(11)旅費交通費  →○× 海外渡航や海外滞在費などは除外します。
(12)通信費    →○× 国際通信や国際郵便等は除外。
(13)広告宣伝費  →○○ どこまでを広告宣伝費と認識するか、でも変わりますが、基本的には全額、消費税の課税取引です。
(14)接待交際費  →○× 慶弔費などは除外します。消費券などの非課税扱い分も除外します。
(15)損害保険料  →×× 不課税なので除外。
(16)修繕費    →○○ 全額算入します。
(17)消耗品費   →○○ 全額算入します。
(18)減価償却費  →×× 損益計算での減価償却費の科目は消費税の計算から除外しますが、減価償却資産の購入(建物や設備などの固定資産の購入)は課税取引なので、別の項目で計算して、課税仕入として算入をします。この時、大きな金額の場合「預かり消費税−支払消費税」で、支払消費税の方が高額であったなら、納付消費税は還付として戻ってきます。
(19)福利厚生費  →×○ 従業員の社会保険料や慶弔金等は除外しますが、社員旅行等は算入できます。
(20)給料賃金   →×○ 給与は除外で、その中に交通費が含まれていれば、その交通費は課税仕入として算入できます。
(21)外注加工費  →○○ 全額参入します。
(22)利子割引料  →×× 計算から除外。
(23)地代家賃   →×○ 土地の譲渡、貸付は非課税ですが、事務所等で借りる賃貸料等は課税取引として課税仕入に算入できます。(国税庁、地代、家賃、権利金の非課税について→http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6225.htm
(24)貸倒金    →×× この科目として課税仕入に算入できません。つまりここでの計算では除外ですが、消費税の納税申告手続き上で、貸倒金に含まれる支払消費税を控除できます。
(31)雑費     →○× 非課税項目があれば除外します。

売上時に預かった消費税と、費用の購入時に支払った消費税を前回のブログで紹介した計算で算出します。

国税庁、消費税課税取引の判定表→http://www.nta.go.jp/webtaxtv/200603_2/pdf/wtt12_i01.pdf
国税庁、消費税確定申告に関する書類等→http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shohi/06.htm
★当ブログ0231免責事項をお読み下さい。

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★上記、書籍のガイドは→http://sotton.hatenablog.com/entry/2013/06/14/230742