0323 所得税126 所得控除2 医療費控除

この医療費控除も源泉徴収や年末調整では控除されず、個人的な手続き「確定申告」によって控除され、認められた場合に還付を受けます。
1年間(1月1日〜12月31日)に診療や治療を受けた医療費を合算して、一定の金額以上の費用が控除として認められます。この時、本人だけの医療費だけではなく、生計を共にしている配偶者や子ども、親族であれば合算した金額が対象とされます。

<控除額の計算>
合計所得が200万円以上の場合は、
「その年に支払った医療費の総額」−「保険金、医療保険などを受領、補填された金額」− 10万円 = 医療費控除額(最大200万円)
合計所得が200万円未満の場合は、
「その年に支払った医療費の総額」−「保険金、医療保険などを受領、補填された金額」− 合計所得の5% = 医療費控除額

例えば、合計所得が給与所得のみ160万円で、年間の医療費が7万円あった場合、次のような計算になります。ただし、保険金等の受領はないものとします。
 7 −{(160−65)×0.05}= 2.25万円が控除対象となります。
給与所得では、給与所得控除があり、年収に対しての控除額は以下の通りです。
180万円以下・・・・・・・・・・・・・65万円
180万円超〜360万円以下・・・・・・・収入金額×30%+18万円
360万円超〜660万円以下・・・・・・・収入金額×20%+54万円
660万円超〜1,000万円以下・・・・・・収入金額×10%+120万円
1,000万円超〜1,500万円以下・・・・・収入金額×5%+170万円
1,500万円超〜・・・・・・・・・・・・収入金額×5%+245万円
※上記の収入金額とは源泉徴収票の支払金額に相当します。実務では所得税法別表第5を使用して算出します。

<対象となる医療費の範囲>
(1)医師、歯科医師による診療や治療代。
診療費、治療費には入院時の部屋代や食費なども通常必要とされる範囲で費用として認められます。また、医療器具の購入、レンタル、義手や義足、補聴器等の費用も該当します。
対象とならない例として、医師に払う謝礼金、健康診断の費用、美容整形などの費用があります。入院時の部屋も個室など自己希望による特別なものは、その差額分は対象外とされます。また、補聴器にしても障害に対するものであれば対象ですが、老齢によるものは除かれます。メガネも治療用メガネ以外は対象外とされています。
健康診断にあたる人間ドッグの場合、異常が発見されず健康状態である結果の場合には対象外ですが、重大な疾病が発見され、引き続いて治療を行った場合に限り、人間ドッグの費用も認められます。

(2)治療、療養に必要な医薬品の費用。
薬事法が規定する医薬品。
対象とならない場合では、予防や健康増進によるもの、食事療法の食費など。

(3)柔道整復師による施術など。
あんま、マッサージ、指圧、はり、灸などの施術。ただし、法律で規定する施術者であること。資格を持たない者の施術費用は対象外です。

(4)病院などへ収容される人的役務の提供など。
通院にかかる交通費や医師などを送迎する費用が該当します。ただし、自家用車で通院したときのガソリン代や駐車料金、あるいは療養や出産のために実家へ帰る交通費などは対象外とされています。

(5)療養上の世話。
保健師、看護師、准看護師または、それら以外に療養における世話の対価。
具体的には食事、排泄、衣類着脱、入浴、身体清拭などの介護や障害福祉サービスで、ただし、家政婦や親族に支払う看護料等は対象外とされています。

(6)助産婦による分娩の介助費用。
介助費用のほか、新生児の保健指導料なども含まれます。

(7)介護保健制度下での介護サービス。
訪問看護   ・訪問リハビリテーション   ・居宅で医師による管理、指導
訪問介護ホームヘルパー)   ・訪問入浴介護   ・医療機関でのデイサービス   
・短期入所療養介護(ショートステイ)    ・介護老人保健施設   
・指定介護療養型医療施設    ・指定介護老人福祉施設
認知症高齢者グループホーム   ・有料老人ホームなど、他
上記の看護、介護に関するサービスの基本料金や、食費や住居にかかる自己負担額、またはその一部が医療費控除の対象となります。

これら医療費控除を受ける場合に「確定申告」による手続きが必要ですが、その時に、費用を確定する医療に支払った領収書や証明書等が必要になります。

国税庁、医療費控除→http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1120.htm
★賃金計算の概要(給与計算)→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130819
源泉徴収税額→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20131023
★当ブログ0231免責事項をお読み下さい。→http://d.hatena.ne.jp/sotton/20130102